No.1227 Re: 「再生システムにおける時間ひずみ」についてSP 2003/9/13 09:20 |
名前 松下 メール先 |
横槍失礼します。なかなか興味深い記事ですね。 > これら電気回路のあらゆる歪などよりも 入力及び出力の空気振動の変換ひずみが桁外れに大きい が為自然の音が出せないのではないか?と感じます。 > >>これは、難しい問題です。 >>実は、空気をダイレクトに駆動するスピーカーも共同開発中ですが、振動板が無くても空気の質量と弾性はどうしようもないようです。 >>しかし、ダイヤモンドのように硬い音を出す事ができます。 >>このスピーカーに大きな可能性を感じていますが、それでも、完璧ではないかもしれません。どうしようもないようです。 新しい概念のスピーカは数は少ないみたいですが幾つか存在しております。 一昔に存在した「イオンスピーカ」や最近研究結果が報告されているのですが 米軍の兵器を応用した「空気の非線型性を利用し正面方向にのみ 音を放射するスピーカ」など、があるようです。後者は音圧が140dBだとかで、 怖くて買う気は起きませんが・・・一応海外では売られているようです。 >それよりも一見メリハリのある5.1chの開発をする方が勝負は早いとの事だと思います。 ソフトウェア的なアプローチですが、ステレオダイポール技術を利用した 2chで5.1chの立体音響を演奏する技術もあります。どちらが良いかというのは 微妙ですね。 > これを良いと感じる様に駆動するには通常周波数特性をイジリとにかくフラットにすれば良いと言う呪縛 >から逃れられなく測定結果を元に作られて要るように思います。 >国産SPにはかならず電気的特性が書かれていました。 これについては個人的に「???」と思うところが御座います。 といいますのは、測定した場所、スピーカとマイクロフォンの角度 測定に用いたマイクの特性、さらには室温にまで特性は依存するからです。 これについては、聴覚情景分析などで議論されておりますが、 電機的特性は観測点の数センチの移動にさえロバストな特性ではありません。 しかしながら人間の聴覚は上記の変化に対し、固有の音色と捉えることは 無いでしょう。メーカーに書かれている電気的特性は理想条件(恐らく無響室) での状況なので実環境で信頼できるデータでは無いと思います。 >その為周波数特性はなるほど良いのですが位相関係がむちゃくちゃとなりそれが聴いていて自然な音とは違う疲れる要因と感じます。 これについては様々な仮説があるようです。人間の聴覚は数msの群遅延の ずれにも敏感に反応し、機械合成音と自然の音の違和感が位相情報に あることは報告されております。しかしながら、スピーカの音の位相情報は 何が理想的なのか、というのは現在わかっておりません。 > これがわかる素晴らしい測定器がみんなに備わっています。でもこの測定器は >もろく影響を受けやすく当然個人で異なりますが。 やはり聴覚は素晴らしい特性を有しております。しかしながら、 環境の変化には強いのですが、仰る通り主観など心理的側面に酷く脆い ですね。 >その辺はどうでしょうか?ご意見を賜れれば幸いです。 私のほうではソフトウェア的なアプローチでスピーカ特性と 聴覚を融合させる研究を行っております。先ほど申しました、電気的特性と 人間の聴覚の矛盾を説明できる理論が確立されれば、人間か環境で捕らえている スピーカの不変項が得られるのでは無いかと考えております。 また、この特性を効率的に測定できれば、ディジタル信号処理による 音の加工も(例えばスピーカ補償システム)画期的に進歩するでしょう。 >>この回答の一つとして、現在開発中の32面体エンクロジャーがあります。 >球形に近いエンクロジャーは、時間的な悪さが少なく、非常にリアルな音を出してくれます。 >この間、東京からミュージシャンの方がYoshii9を持参されたのですが、32面体スピーカーからの音には驚 >かれたようでした。 やはり、このようなハードウェア的なアプローチがまずは重要ですよね。 32面体エンクロージャには非常に興味があります。他にもスピーカの 振動版に意図的に凹凸を加え、ピストン振動を行わないように加工した スピーカというものも御座いました。このスピーカの電気的特性は 一見ばらばらなのですが、ある空間を離散的に測定し、全体的な特性を 見てみるとかなりフラットになっております。私はこの音を体験した わけでは無いので主観評価は不明ですが、面白い結果になるのではないか と思います。 結局スピーカの音を聴くのは人間なので、完全な生演奏の再現は不可能と 割り切って人間が生演奏に聞こえる錯覚を起こさせる、というのも 邪道ではありますが、ありだと考えてしまいます。 長文、横槍失礼しました。様々な角度からの議論が聞けて興味深かったです。 |
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