『試聴屋』掲示板


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No.1240  Re: マスタークロック実験:追加情報  2003/9/26 17:57
名前 TDMA  メール先
なかなか面白い実験ですね。  私もこの辺に少し興味が有りますので 駄文をーー。

デジタルをアナログに戻す(再生の)場合、時間軸の歪はDAC(チップ)のPINでデータを叩くクロック(これはワードクロックに同期しています)の純度にほぼ依存しますから、このジッタ(短周期のエッジのふらつき)は致命的に効く筈です。 長周期の変動は時計の場合と違って音質には問題在りませんが、録音、編集時に正確な時刻情報が必要となるので、プロ用機器のハウスシンクの為には必要でしょう。  クロック同期の手法は、シングルマスターが理想で、具体的に何をマスターに設定するか?でご存知の通り構成も変わります。
1)CDメカ(トランスポート)内部のクロックを高精度化する。これはDACとの一体型で有効なものですが、CD器の内部はサーボ機構などデジタルノイズが多く、信号系のクロックの純度を維持するのは難しいと聞きます。 CD器からワードシンクを引き出して外部DACを駆動する場合も同様の理由で、引き出したクロック自体の純度がが心配です。
2)DAC側にマスタークロックを置く方法で、高精度クロックをトランスポートに送る一方、最近はFIFOバッファ等を使って、トランスポートからのタイミングが甘いデジタルデータとDACへの供給データとを分離してDACの入り口で叩きなおしています。  最近のCDウォークマンも振動防止の為にこの構成なので、クロックさえ高精度に替えれば非常に良い音です。
3)外部に(短周期ジッタの小さい!)高精度クロックを置き、トランスポートのワードシンクに44.1,88.2KHzを入れる。 44.1の場合はデータとの同期が微妙で、自動ロック機能が無い場合は後者が安全です。(P0sにはこのオートロックが追加された?)。同時にこのワードシンクをDACにも入力し、最終入力をこれで叩きなおす訳です。
(d社なら992から88.2か176.4KHzをトランスポートとDD変換のパーセルからDACエルガーに入力してーーなんでしょう)
ここまでが狂い無く出来て居ないと、この上にアップサンプル(DD)や、DSD変換技術など載せても殆んど効果が期待出来ません(好みは別ですがーー)。

ここで、DSD変換はデジタルフォーマットが決まっているので、上記P?でも、近々MLの360デジタルプロセッサでも可能になるそうですが、DSD入力のDAC(チップ)は非常に高音質なのでかなり効果があるようです。 アップサンプルは、原理は簡単ですが、付随する補間とフィルター処理が難物で、相当のソフト力と経験が無いと効果を出し難いと言われています。 国産品は、ハードの高精度クロックは比較的得意ですが、アップサンプルの処理に伴う複数の高速DSP処理にはオーディオメーカ各社が苦戦している現状のようです。
従って、当面は 高精度クロック等ハード的改善は国産が、ソフトを含む信号処理部分は暫く海外製品が (悔しいけれど)技術的には優位みたいです。
現状製品でもオーディオ技術者の一層の奮起が望まれています。  両者が高度にバランスしないと、音は悪くないが「音楽に成らん!」と最悪になりそう。

余り参考にならん内容ですが、技術現状と課題の一部をーー。
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