3.ヒヤリング
SATRI-LINK PHONO EQ
さてさて音出しです。
AMPはAMP-5511KにSATRI-LINK入力を追加したもの。
SPはJBL4425。
ADPはROKSAN RADIUS3。カートリッジはLYLA LYDIANβです。
- ●前橋汀子:ツゴイネルワイゼン
- エージングもまったくしていない状態での試聴です。最初のうちはちょっと定位が変でしたが少し経つと安定しました。今までの装置とは音場感が異なります。なんか目の前に音を「わっ」とばらまいた感じに聴こえます。音場が広がったせいでようか?
- 前橋汀子のガルネリの音がオーケストラの音に混濁することなく手前で鳴っているように聴こえます。分解能の向上は明らかです。今回はOSコンの入力カップリングを入れていないので前回、製作したPHONO EQと比較すると低域が控えめに感じますが締まりはこちらの方が良いです。エージングもしていないので高域がきつく聴こえます。でも弓使いの変化による音の違いがはっきり聴き取れます。いままでは聴き取れなかった音が聴こえます。
●エフゲニームラビンスキー:ベートーベン交響曲4番
- 数時間エージングを行いました。
- 前作よりドライブ感が向上しています。殊にアタックが入るところのスピード感が電圧インターフェイスとは異なります。SPが壊れるんじゃないかと思うくらいのスピード感です。スピード感を表現するのによく音が「ふっ」と迫ってくるという表現をしますが、それどころではなく音を投げつけられる感じです(押し付けがましいのとは違います)。トッティでも音の混濁は全く感じられません。それほど良い録音のレコードではないのですが各楽器がちゃんと鳴っているのが解ります。
●ソニークリス:I'LL CATCH THE SUN
- JAZZのワンホーンカルテットです。アルトサックスが中央に定位し、サックスそのものの音で鳴ります(実は私はかつてJAZZを演奏していたことがあってアルトサックスを吹いてたのでこの楽器の音はよく知っているのです)。実はこの音はなかなか出ないのです。
- でもJAZZの「黒っぽさ」を期待すると肩透かしをくらいます。各楽器そのものの音です。バスドラも奇麗に鳴ります。
●ウェザーリポート:ヘビーウエザー
- 20年前のレコードですが、こんなに音が入っていたのでしょうか?迫力が違います。殊にジョー・サビヌルのシンセの低域の締まった音、ジャコパストリアスのベースのドライブ感は圧巻です。
●ヘルベルトフォンカラヤン:ツゥラトストラかく語りき
- 比較的新しい録音です。こういった聴感の快楽を刺激するような楽曲を振らせたらカラヤンは結構いけると思います。
- いやはやこれはすごいです。リヒャルトストラウスの音符がぎっちりつまった曲をかくも絢爛豪華に聴かせてくれるとは・・
- 今まではちょっと音が混濁してしまって今一つでしたがこう分解能が上がってくるとカラヤンが何をやりたかったのか理解できるような気がします。たくさんちりばめられた音をスポーツカーのようなスピードで奏する。まさに「快感」です。
●総評
- なるべく客観的に聴き取ろう、書こうとするのですが。。。どうもそうはいかないようです。
- 評価しているつもりがいつのまにか音楽に浸ってしまっています。
- SATRI-LINK PHONO EQのキーワードは「正確さ」だと思います。Fレンジ方向、Dレンジ方向はもちろんのこと、加えて時間が正確なようです。結果として聴こえる音は極めて分解能が高く、スピード感に富むといったところでしょう。音場が拡大し、音像はきっちり、ドライブ感が圧倒的です。
- SN比は電圧インターフェイスに比べて聴感上はそんなに変わりませんでした。測定すれば差は出るでしょうが・・・
- これでしばらくはPHONOEQを製作することはないでしょう(^^;
- やはりSATRI回路は電流インターフェイスの方が自然なようです。もちろん趣味のもの故、音の好みにもよるでしょうが、SATRI回路自体の特徴は電流インターフェイスにすることでいかんなく発揮されるようです。DACの出力回路やチャンネルデバイダ等でもきっと同じ効果が期待できるものと予想されます。