音・・・・・

SATRI-AMP

●一日目

一聴して癖のないとても素直な音です．押し付けがましいところが皆無です．

前橋汀子のバイオリンがとても気持ちよく鳴ってくれます．

まだエージングも全くしていない状態での話ですのでこれから先、どうなるのでしょうか．

●三日目

パットメセニーとマイケルブレッカーのアルバムを聴きます．ECMレーベルは澄んだ音がするので有名ですが部屋の温度が下がる感じがします．音場も高いです．

この段階で手持ちの自作AMPのお蔵入りが決定しました(^^;

●四日目

ブラームスの一番を聴きます．シャルル・ミュンシュ、パリ管です．

録音はあまりよくはないのですが・・・・

第一楽章が鳴り始めたとたん眼前にフルオケが出現しました．自作AMPを試聴する場合、普通はあれがどうだとかこれがこうだなとか考えるのですがそんな必要はなさそうです．

一日目に感じたAMPの存在感のなさがなせる技なのかもしれません．

ただまだ音に立体感が足りません．エージング不足です．

●七日目

いよいよお気に入りのアルバム、アルトゥール・ミケランジェリとカルロ・マリア・ジュリーニ、ウィーンフィルの皇帝を聴きます．このアルバムはライブ録音なので拍手がはいっています．

通常の帰還を施したAMPだと拍手がきつく聴こえますが（少なくとも私には・・）そんなこともなく本当の拍手の音がします．

さて演奏はというとこれがいいです．録音も優れているのですがオケの音、ピアノの音、そのアンサンブルともにいいです．

4425はもともとピアノ再生に優れたスピーカーですがいままで聴いたことないような音が飛び出してきました．

ことに強靭な力で振り下ろされるミケランジェリの指で鳴る低域はピアノの胴鳴りまで聴くことができます．

レコードを聴いていてステレオを聴いているということを忘れさせてくれた一時でした．エージングもほぼできたようです．

次はオールマンブラザースバンドのフィルモアイーストのライブです．

私はディアン・オールマンのギターが大好きなのですがますます好きになりました．

殊にエリザベスリードの追憶は圧巻です．ステージでのディアンのたたずまいがわかるような気がします．

●総評

一日目に感じたAMPの存在感のなさ、これがSATRIの最大の特徴です．ソースの持ってる音、スピーカーの持ってる音を最大限に引き出す回路です．

したがってAMPで音作りを行うような方にははっきりいって全くお勧めできません．

逆に惚れたスピーカーを朗々と鳴らすのが好きな方やオーディオファンというよりは音楽ファンにお勧めしたいAMPです．

バクーンの製品と私が作ったAMPの音はおそらくあまり変わらないと思います．

これまでSATRIのAMPを聴いていて似たようなAMPがあったなとふと思い出しました．型番は忘れましたが初期のマークレビンソンの音が確かこんな音だったと思います．

ずいぶん昔のことなので確かではないですが・・・最近の装置ではLINNに似ているような気もします．

ともあれ少なくとも今まで所有した（製品、自作含めて）AMPの中で私の好みからして文句なく�ｂPのAMPが出来上がったようです．

●装置について

電源に挿入したSmall-Lは少しは役に立っているようです．低域は奇麗に出ていますし高域の暴れもみられません．

ノイズの影響は制御されているようです．ただちょっと値が小さいようで通さない場合との比較で効果が明らかとまではいきません．もう少し大きくしたほうがよいようです．

バランサーの動作は完璧です．音像の中心点が数cm単位で変わるのが解ります．

ボリュームは切換時に若干ノイズが出ます．ただ演奏中に切換えると注意していないと解らない程度なので問題はないでしょう．

入力ジャックのアース取りは必要ないようです．ただ何も接続しないジャックにはショートピンを刺しておかないとそのジャックをセレクトした時にノイズが出ます．

使用したRコアのトランスは若干うなり音が出ます．ただ音質的な影響はないようです．

だいたい以上で、不具合らしい不具合は認められませんでした．

今後は・・・

1.線材をテフロンに変更する．

2.Small−Lをもう少し大きな値にする．（コアの変更も必要）

3.アイドリング電流を増やしてA級動作範囲を大きくする．（現状は230mA、250mA位に）

4.フロントパネルのお化粧をする(すっぴんでは可哀想です．(^^;・・）

を行いたいと思います．