SATRI BTLモノラルアンプ
AMP-6510ユーザー(匿名)氏の試聴室
今回ご紹介するSATRIアンプユーザは、5WAYオールホーンシステムを最高の音で鳴らしたいというご希望で、ホーンスピーカーを鳴らし切れるSATRIアンプAMP-6510を10台と、それを駆動するための専用チャンネルデバイダをお使いのお客様です。
写真のように、部屋の壁面がそっくりスピーカーになっていて壁がありません。使用しているホーンは全てエール音響さんのストレート・ホーンで、ドライバーも同社製の24,000ガウスのオールパーメンジュール仕様の特注ドライバーを使用しています。これ以上強力なドライバーを探すのは困難なほど強力で、音の違いにも非常に敏感に反応するドライバーです。
システムの中央部です。音楽を聴くときは、下のライトだけを点灯して部屋を暗めにして聴きます。中央にあるのは、マランツのオーディオコンピュータ「UNIX」です。音場測定と各周波数の平坦化の処理に使用しています。写真を撮ったときにはありましたが、現在ははずしています。
板の上にはトランスポートが2台載っています。上がCECのTL-1Xで、下がマランツのCDトランスポートです。
マランツのUNIXの下には、WADIAのデジタルオーディオセンターが見えます。これで、CECとマランツの入力切換を行っています。
トランスポートの左右にある丸いものは、エール音響製の高域用ホーンドライバーです。トランスポートの大きさと比べるとかなり大きいことがわかると思います。直径は約25cmあります。奥行きは30cm近くあり、重量が80kgほどあるということですので、落とすと危険です。
この高域用ホーンから出てくる音は、従来の良くあるドームツイータや一般のホーンドライバーとは全く異なる音でした。高い音しか出ていないのに、どっしりした安定感を持って鳴ります。シャラシャラした軽い高域とは無縁の音がします。
ホーンシステムの両端に置かれたSATRIアンプ群です。写真は左側のものです。パネルが茶色に見えますが、これは証明が暗かったためで、本当の色は淡い紫色です。AMP-6510が4台見えますが、5WAYですので残り1台はこの後ろに置いてあって見えません。一番上にあるのが5WAY専用チャンネルデバイダです。マスターボリュームがありますので、プリがなくても音量調整ができます。下のAMP-6510のボリュームは、どれも同じ位置に固定で使用しています。
この5WAY用チャンネルデバイダは、電流出力対応になっていて、SATRI-LINKができますので、AMP-6510との接続にはBNCケーブルで接続してあります。SATRI-LINKでつながれたSATRIアンプ群の出す音は全く自然で透明です。エール音響製ホーンと組み合わせると、SATRIアンプの良さが実に良く表現されます。ホーンシステムと言うと、ホーン鳴きが聞こえるようなイメージがありますが、強力で重量のあるドライバーとSATRIアンプの組み合わせではそのような音は出ず、デッドニングなどの対策はいらないようです。
AMP-6510の拡大写真です。AMP-6510は正面から見ると比較的小さく見えますが、奥行き方向に長い形をしています。およそ、正面横幅の約2倍あります。
AMP-6510の重量はそれほど重くなく、一人で持てる程度ですが、それでも600VAのトランスを入れていますし、OSコンを前段に40個、パワー段に100個投入していますので内容はしっかりしています。
写真右端に少し見えているのが中音用ホーンの開口部です。AMP-6510が乗っているのが中底音ホーンの天板ですので、かなり大規模なシステムということがわかると思います。
5WAYチャンネルデバイダの拡大写真です。このパネルの色が本当の色です。調整のために床に降ろしたところを撮影しました。各チャネルごとに出力レベルが違うため、マーキングしてあるのが見えます。右端のつまみがパワースイッチ、左端の少し大きいつまみがマスターボリュームです。
ホーンシステムを横から見たところです。UNIXオーディオコンピュータを使って測定しているところです。本体中央のマイク端子にマイクを接続してホワイトノイズを発生させ、リスニング位置で測定します。部屋の反射などがあるため、平坦にすることはできませんが、数dB以内に納めるところまでは可能です。
手動でできるところまで調整した後、自動補正をかけると1dB以内にまで補正してくれます。
右チャネル部分をもう少しアップした写真です。中高域用ホーンは石を削っているので白い色をしています。これもかなり大きなものです。
中高音用ホーンを拡大した写真です。配線コードは銀線絹巻きのようです。
右上から左チャネル部を見たところです。中音用ドライバーが低音用ホーンの一部に食い込んでいます。SATRIチャンネルデバイダの後ろに置いてあるのは、このときまで使用していた真空管アンプです。マランツのプレステージというモノアンプで、845と300Bを使用しています。価格は\250万円/台とか。この後AMP-6510に交換されてしまいました。
高音用ホーンの拡大写真です。ホーンドライバーとは言え、これほど大きくする必要があるのかエール音響さんに尋ねてみると、「最初は小さなものを作って試聴してみたものの、一回り大きなものを作って比較してみると前のものは聴けなくなってしまう」ということで、最終的に現在作れる最も大きなドライバーになってしまうということです。「もしこれより大きなものが作れれば当然そちらの方が良いはず」というお話しで、現在のところまだ終わりは見えていないということです。私の耳には充分良い音に聞こえましたが、まだまだ先があるようです。
中高域用ホーンの拡大写真です。
中音用ホーンの後ろ側です。ドライバーは紐で吊るして浮かせてあります。5WAYともなるとさすがに配線が混んできます。
最後の勇姿となったマランツのプレステージです。最低音用に使われていましたが、SATRIアンプの音色とはどうしても合わず、交換されてしまいました。
SATRIアンプに交換して低音だけを出してみると、今まで聴いたことのないほど自然な低音が出てきました。低音しか出ていないのに、人の声まで自然に聞こえるのには驚きました。コーン型のスピーカーとは全く違う音で、比較になりません。
全てをSATRIアンプに交換して調整が終わった状態では、SATRIアンプと20,000ガウスを越える強力ホーンスピーカーで鳴らすとここまでできる、という見本のような音が出ました。調整には2日かかりましたがそれだけの価値のあるサウンドです。
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