松戸市の石田様より
◎はじめに
DAC-2000の改造をしましたのでご報告します。
改造点はBCK(ビットクロック)の非同期リクロックです。これは楠さんの1fs DACで使われた手法ですが、デジフィルからDACチップへ行くBCKを水晶でもう一度叩き直すものです。
DACの出力タイミングはBCK信号の立ち上がりで決るので、出力のジッタを決めているBCKをリクロックすればジッタが減少すると考えられるます。
出力タイミングはシステムクロックとは同期せず、DAC出力タイミングはランダムな数十ns以内の変動があります。このため理論的にはわずかに歪みが増えるはずですが、ノイズが出るなど異常動作は有りませんので、実用上はこれで問題ありません。ジッタによる聴感上の歪みの主要因は音楽信号に同期したジッタであり、ランダムなジッタは再生上害がないのではないかという仮説に立っています。
今回はVCO 27MHz出力をそのまま利用するのも試しましたが、マージンがほとんどないので、33MHz以上のクロックを用意することをお勧めします。ただし96kHz入力までの対応ではもっと高周波が必要になりますが、動作は未確認です。
結果は非常に効果的でした。音像がシャープになるというか自然になり、細かい息遣いやニュアンスがとってもよく解る様になってきました。余計な音の膨らみやボケがなくなって更に細かい音まで聞こえる様になった為だと思います。この効果は時間精度(ジッタ)の向上にも見られるポイントと似ているようなのでその影響が大きいと思います。しかし、BCK波形も立ち上がりが良くなったので単に時間精度だけかどうかはまだ未確認です。追試される方はがあれば確認してください。
基板実体配線図
(デカップリングコンデンサを除く)
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DAC-2000基板裏側
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負荷基板を取付けた状態。
デカップリングのOSコンが見える。
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付加基板の実装状態
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左のスルーホールはDACへのBCK信号。同じようなものが右側にもあるので両方とも74の出力を接続する。下の2本の線は追加基板の電源。
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基板パターンカット。図右下の穴は基板中央の取付け穴。その左右をカットする。中央のスルーホールからデジフィル(DF)のBCK信号が出る。
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