抵抗比較実験 No.5
I/V変換抵抗 金属皮膜抵抗系
はじめに
Part4 カーボン抵抗に引き続き 金皮系抵抗です。
Part4/5は連夜で聞いたんですが、更新は1ヶ月以上遅れましてえらいすんまへん。
毎夜半田ごて握っていじってたもんで進まんかったのよ(言い訳)。
自作するとき、安くてそこそこ精度がいいし、ノイズも低いかなというのもあって良く使う金皮ですが、何十種類も聞いた経験から程度問題はあるけど独特の曇り感があるなぁというのが正直なとこです。
同じ金皮でもけっこう分解能、透明感等のばらつきが機種によってさまざまで、差がけっこう大きので今回バッサリ評価しちゃいました。
今回は、いろんな経緯で集まった11種類です。北陸のタンタルはどーした!とか声が聞えて来そうですがいろいろ加えたら軽く倍くらい集まりそうなんでこのへんで勘弁して下せェ。
金皮は常用するものなんで、いいものが見つかれば良いのですが?
なお、この評価は 私の装置のI/V抵抗を1KΩ近傍の多種の抵抗に交換した場合の評価に過ぎません。
この評価は抵抗の実力の一端を示していることは事実ですが、回路中の抵抗の使い方は千差万別ですし、使う値もいろいろなのと、何といっても各人の好みがあるんで自作する時にゃあ自分で試してみてくだせぇ。
1.評価したシステムなど
システム概要に関しては第4回と同じです。
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2.評価した抵抗
今回より、既評価の抵抗に関してもできるだけ精度の良い評価を行うために抵抗の足を最短にしコネクタへの半田づけをやり直しました。その後、125Hのエージングを行いました。
今回評価したカーボン抵抗は以下のとおりです。
No
|
写真
|
メーカー
|
型式
|
種別
|
W数
|
価格
|
購入店
|
エージング
|
1
|
|
TDA |
? |
金皮? |
1/2W? |
もらいもの |
? |
125H |
2
|
|
MEPCO |
? |
セラミック外装付き金皮 |
2W |
\350 |
オーディオ専科 |
125H |
3
|
|
(デジット) |
? |
金皮 |
1/4W |
\10 |
デジット |
125H |
4
|
|
新興 |
TAF |
タンタル皮膜 |
1/2W |
\80 |
海神無線 |
125H |
5
|
|
Philips |
? |
金皮 |
1/4W |
? |
もらいもの |
125H |
6
|
|
KOWA |
? |
金皮 |
2W |
\100 |
シーアール |
125H+α |
7
|
|
DALE |
CMF |
金皮 |
1/4W |
\60 |
海神無線 |
125H+α |
8
|
|
多摩 |
? |
金皮 |
1/4W |
? |
もらいもの |
125H |
9
|
|
HOLCO |
H8 |
金皮 |
1/4W |
$0.5 |
The Parts Connection |
125H |
10 |
|
進工業 |
RE55 |
金属プレート抵抗 |
1/2W |
\40 |
テクニカルサンヨー |
125H+α |
11 |
|
IRC |
|
金皮 |
2W |
\250 |
オーディオ専科 |
125H+α |
エージングの+αは試聴用に使用したことを意味します。
各抵抗に関して
- TDA :すみません よく知りません
- MEPCO :オーディオ専科の店頭で見つけて思わず購入してしまいました。固そうなセラミック外装のガッチリした外観は好結果を呼びそうです。店員さんに金皮であることを確認しました.
- デジット\10抵抗 :第1回の比較試聴で栄誉ある最下位の座を与えられました。今回も最下位街道を驀進するのか??
- TAF :ラジオ技術で別府さんが金皮の中ではコレを使っていました。
- Philips : メーカー品や自作記事で良く出て来る抵抗です。
- KOWA:ふつうの金皮抵抗をおもいっきしデブっちょにしたような外観です。最初は冗談かと思いましたが、音は冗談でないことを薄々知っていましたが..
- CMF :くびれの無い独特のカプセル型です。価格も手ごろで小さいのでよく買いました。
- 多摩 :すみません よく知りません
- HOLCO :海外じゃ有名らしいんですが日本で小売りしていないので通販で買いました。The Parts Connectionは抵抗1本でも通販してくれるので重宝してます。
- RE55+VEM :第3回の似たモノ対決で プレート抵抗でベストとなったもんです。RE55にVEM貼り付けたもので作り方は第2回を参照のこと。
- IRC :オーディオ専科で見つけました。だいぶ大きな真っ赤なモールド型です。店員さんに金皮であることを確認しましたが、抵抗には「IRC MDC RN70B 1471F 6015」と書いてあります。おそらく MDC型なのですが IRCの
Homepageに行ってもよーわからん。
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3.試聴ソースに関して
第4回と同じくこのようになってます。
ジャンル
|
アーティスト
|
アルバム
|
CD番号
|
Track
|
曲名
|
楽器
|
ボーカル |
Rebbecca Pidgion |
the raven |
Chesky JD115 |
#3 |
the raven |
ボーカル・ソロ |
ジャズ |
The LA4 |
亡き王女のためのパヴァーヌ |
EAST WIND PHCE2043 |
#1 |
亡き王女のためのパヴァーヌ |
サックス、ギター、ドラム、ベース |
バイオリン |
潮田 益子 |
イザイ バイオリン・ソナタ op27 |
fontec FOCD3284 |
#4 |
|
バイオリン・ソロ |
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4.評価順序
これも、第3回と同じくランダムにするため全抵抗を手で握ってガチャガチャ振って机の上にエイヤッと投げ、遠くに散らばった順序としています。
順序は以下のとおり
No
|
ボーカル
|
バイオリン
|
ジャズ
|
1
|
TDA |
TAF |
KOWA |
2
|
MEPCO |
TAMA |
Philips |
3
|
Digit |
Digit |
HOLCO |
4
|
TAF |
CMF |
IRC |
5
|
Philips |
MEPCO |
MEPCO |
6
|
KOWA |
Philips |
TAF |
7
|
CMF |
RE55 |
TAMA |
8
|
TAMA |
IRC |
TDA |
9
|
HOLCO |
KOWA |
RE55 |
10 |
RE55 |
HOLCO |
CMF |
11 |
IRC |
TDA |
Digit |
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5.評価結果
今回は数が多いので比較しやすいように曲毎にまとめてみました。
ボーカル(Rebbaca Pidgon)
順番
|
種類
|
試聴結果
|
1
|
TDA |
ボーカル自体は高音域の影が付きまとうが悪くない。バックの演奏は やや霞みがかかり円く切れ込みが悪いが、全体がバランスしていおり悪くない。 |
2
|
MEPCO |
独自の抜けたような透明感があるがエネルギが高域寄りで子音が強調される。バックの演奏のディティールが出ていて霞みが少ない。バランスが高域にバイアスがかかっているので偏っているがそれを除けば悪くない。 |
3
|
Digit |
平面的なボーカルの上に変な反響が付きまとい霞みがかかったよう。ダイナミックレンジが圧縮されたような感じで聞いていて楽しくない。 |
4
|
TAF |
付帯音が付き金皮特有の曇りがある。切れ込みが緩和されエッジが円くなるが聴きやすい ややナローレンジ 癖が強いので聞いていて気にかかり良くない。 |
5
|
Philips |
金皮特有の曇りがある。エネルギが高域寄り子音が強調される。表現が平面的でスケールが縮まった状態でバランスが取れている。 |
6
|
KOWA |
曇りはあるが少ない、付帯音が少ないが癖が感じられる。ディテールの表現が優れる方 音場のでき方も良好な方 バランスが取れていて聴きやすい。 |
7
|
CMF |
高音域に独自の付帯音がある。これが透明感を演出しているが、音のたち下がりが悪い。ディテールは出ている方だが、バックの質は良くない。素性が悪くはないけれども特有の癖がバランスを疎外している。 |
8
|
TAMA |
ボーカルがややうわすべりしている。付帯音が感じられるが癖は少ない方。バックの演奏との混ざり合いがイマイチ 独自の浮いた音場感がありナチュラルではない。 |
9
|
HOLCO |
当たりが柔らかい。曇りが感じられる。エネルギが高域寄り。バック演奏が弱くオフな表現で音場が萎縮した感じ。聞いていてつまらない。 |
10 |
RE55 |
付帯音はあるが少なく耳につきにくい曇りは少ない方 ボーカルはかなりニュートラル バックの演奏も偏りが少なく トータルバランスが取れていて聴きやすい。 |
11 |
IRC |
浮遊したような付帯音があるが曇りは少ない やや高域寄りか? 若干雑味があり、やや煩く癖があるが、ディテールの表現は良い。バランスは取れている方 |
バイオリン(潮田益子)
順番
|
種類
|
試聴結果
|
1
|
TAF |
曇りが強く感じ取れる。力強さが少なく余韻成分が変に残る。癖が強くナローな弦。たち下がり限界点が低い。 |
2
|
TAMA |
ナローで癖の強い弦 TAFよりマシ 余韻が遊離している。鳴り方がバラバラで融和してない。弱音部で表情が出ない。 |
3
|
Digit |
平面的でナローな弦 曇りがかかって癖が強く鳴り方がばらばらで融和していない。 |
4
|
CMF |
曇りがかかるがそんなに濃くない ややメタリックな弦になるが、一貫性があるのでギリギリ融和している感じ 弱音部の表情は弱いがまずまず鳴っている。 |
5
|
MEPCO |
一聴で曇りの少なさが聞き取れる。高域エネルギが強いのでやや荒れて聞こえるが一貫性はある。癖がじゃまをしているが楽器としての融和は保たれている。弱音部でも破綻しないのは良好。 |
6
|
Philips |
やや上すべり感がある。曇りがかかっているが、楽器としての一貫性は保持している。聴感上のSNが悪いためスポイルされているが弱音部も悪くはない。全体に縮まった感じ。 |
7
|
RE55 |
余韻に上すべり感があり煩いが、一貫性がありギリギリ融和している。弱音部でも破綻しない。曇りと癖が感じられるがバランスは悪くない。 |
8
|
IRC |
若干ヒリヒリ感があるが曇り感が少なくレベルは高い 雑味があり消え際がスムーズさに欠ける(高いレベル)弱音部も破綻しないがちょっと雑味がありナチュラルまでいかない。 |
9
|
KOWA |
ややヒリヒリで上すべり感はあるが、ナチュラルな感じで楽器の一貫性があり融和感がある。弱音部もこの資質は変化せず良好。 |
10 |
HOLCO |
曇り感が強いが、楽器の一貫性は保っている。癖が強く楽器の資質を正確に表現しないが、比較的良く鳴る方で弱音部もレベルを保っている。 |
11 |
TDA |
余韻が遊離している感じがするし、曇り感もあるがバイオリンを良く鳴らす方である。弱音部でやや平面的になる。 |
ジャズ(LA4)
楽器
|
順番
|
種類
|
試聴結果
|
鐘
|
1
|
KOWA |
金属の鐘で質感が良好 |
2
|
Philips |
ガラスの鐘 歪んでいる 薄い |
3
|
HOLCO |
金属の鐘の音だが、余韻がやや割れる |
4
|
IRC |
硝子の鐘+金属の余韻 |
5
|
MEPCO |
余韻がキラキラした金属の鐘 |
6
|
TAF |
金属の鐘 ちょっとひっかかりがある |
7
|
TAMA |
かなり変わった硝子の鐘 |
8
|
TDA |
硝子の鐘 余韻が少ない |
9
|
RE55 |
硝子と金属の中間の感じ |
10
|
CMF |
硬質硝子の感じ |
11
|
Digit |
硝子の鐘 |
フルート
|
1
|
KOWA |
ややソフトだが滑らかで聴き易い |
2
|
Philips |
おとなしめ、遠いが悪くない |
3
|
HOLCO |
粉っぽいおとなしめのフルート |
4
|
IRC |
表情のあるソフトなフルートで良好 |
5
|
MEPCO |
割と正確なフルートを表現している |
6
|
TAF |
ソフトなフルート 浮ぎみでディテールが不足するが良好 |
7
|
TAMA |
ソフトで内容の伴っていない平面的なフルート |
8
|
TDA |
ソフトで割と表情のあるフルート やや粉っぽい |
9
|
RE55 |
ナチュラルで表情のあるフルート |
10
|
CMF |
やや煩く曇った平面的ながら表情があるフルート |
11
|
Digit |
平面的で輪郭もあやうい感じ |
ブラシ
|
1
|
KOWA |
ブラシの動きが見えるが一本一本まで見える解像力はない |
2
|
Philips |
浮気味でブラシの細かい動きは見えない |
3
|
HOLCO |
ブラシの動きは判るが、ブラシの先の動きが読めない |
4
|
IRC |
ブラシの動きは読め、先の動きもある程度読める |
5
|
MEPCO |
ブラシおよび先の動きがほぼ読める |
6
|
TAF |
動きは読めるが、先がバラケている感じが出ていない |
7
|
TAMA |
固まっているブラシの音 |
8
|
TDA |
動き、先の動きも割と読める |
9
|
RE55 |
使い分けがよく見える、先のバラけ方が見える |
10
|
CMF |
動きはつかめるが先のバラケ方までの再現には至らない |
11
|
Digit |
ブラシの動きが曇っていて見えない |
バスドラ
|
1
|
KOWA |
軽く鳴る 重くない |
2
|
Philips |
ベタベタと重い |
3
|
HOLCO |
重くはないが皮の動きまで読めない |
4
|
IRC |
やや湿った感じだが重くは無い |
5
|
MEPCO |
軽い、動きが読める |
6
|
TAF |
重くないが薄い |
7
|
TAMA |
皮の動きが見えない 正弦波的な音 |
8
|
TDA |
軽いがやや薄い |
9
|
RE55 |
軽い、皮の動きが判る |
10
|
CMF |
割と軽く 表情がつかめる |
11
|
Digit |
重い、輪郭だけで中身を伴っていない |
ベース
|
1
|
KOWA |
やや遠く浮気味だが、質感は良好 |
2
|
Philips |
遠い、動きは判るが輪郭だけ見える感じ |
3
|
HOLCO |
浮いた感じ、ベースの輪郭が判るが中身が見えない |
4
|
IRC |
動きは読めるし資質も判るが、遠い |
5
|
MEPCO |
弾む感じが出ている。胴鳴りと弦の動きもバランス良 |
6
|
TAF |
割と正確だが中身を伴っていない |
7
|
TAMA |
輪郭だけ、中身を伴っていない |
8
|
TDA |
割と表現力のある胴鳴きが勝ったベース |
9
|
RE55 |
表情のあるナチュラルな指使いで弦と胴鳴りがバランスしたベース |
10
|
CMF |
やや電気的だが表現は感じられる |
11
|
Digit |
輪郭だけのベースで楽器の表情が見えない |
ギター
|
1
|
KOWA |
弾き音が先行するが、胴鳴りとのバランスは取れていて聞いていて楽しい |
2
|
Philips |
弾き音が曇り癖があってリアルではない 胴鳴りも痩せている |
3
|
HOLCO |
弦を弾いていることはわかるが弦が見えない。胴鳴りとうまくミックスしていない。 |
4
|
IRC |
やや浮きぎみだが、弦の動きはだいたいわかる胴鳴りとのバランスも取れている |
5
|
MEPCO |
弦の動きが読める、胴鳴りも融和する |
6
|
TAF |
割と正確だが、細かい弦の表情が読めない |
7
|
TAMA |
ディテールが無く平面的になる。薄っぺら |
8
|
TDA |
やや遠いが割と正確なギター バランスも良好 |
9
|
RE55 |
やや弾き音の勝った 表情のあるナチュラルなギター |
10
|
CMF |
曇っていて癖を感じるが表現は見える |
11
|
Digit |
身の詰まっていない平面的なギター |
総評
|
1
|
KOWA |
YAMほどの表現力は無いが、楽器の音色を正確に表現する方で安心して聴ける |
2
|
Philips |
全体に、曇りがあり痩せて楽しくない。楽器の音がだんごになって並べられている感じ。 |
3
|
HOLCO |
全体の動きはバランスが取れて聴けるが 上すべりして中身を伴っていない感じ |
4
|
IRC |
雑味があるため浮ぎみな印象を持つが だいたいナチュラルに表現されているため聴きやすく楽しい。 |
5
|
MEPCO |
楽器の表現はかなり正確で楽しく聴けるが、全体にエネルギが高域よりに聞こえる。 |
6
|
TAF |
レンジが狭いが割とバランスが取れており聴きやすいが、聞き込むと楽器の内容表現力の不足を感じる。 |
7
|
TAMA |
非常に薄っぺらな表現で 変な癖にひっかかり 聞いていてちょっと違うと感じてしまう。 |
8
|
TDA |
全体のバランスは取れていて聴きやすく、ある程度まで楽器の表情が読める。 |
9
|
RE55 |
楽器の特質を正確に表現でき、しかもナチュラルなため トータルでバランスが取れており安心して聴ける。 |
10
|
CMF |
楽器に固有の癖が付きまとうが、表現しようとしていることは聞こえ正確ではないが楽しく聴ける。 |
11
|
Digit |
なんとも平面的で楽器や演奏家の表情が見えてず、つまらない演奏に聞こえる。 |
各抵抗別の評価結果
書いてある内容は 上の評価と同じですが、見やすいように抵抗別に分けました。
DALE CMF
Music
|
楽器
|
DALE CMF
|
Rebbeca Pigion
|
ボーカル |
高音域に独自の付帯音がある。これが透明感を演出しているが、音のたち下がりが悪い。ディテールは出ている方だが、バックの質は良くない。素性が悪くはないけれども特有の癖がバランスを疎外している。
|
潮田益子
|
バイオリン |
曇りがかかるがそんなに濃くない ややメタリックな弦になるが、一貫性があるのでギリギリ融和している感じ 弱音部の表情は弱いがまずまず鳴っている。
|
LA4
|
鐘 |
硬質硝子の感じ
|
フルート |
やや煩く曇った平面的ながら表情があるフルート
|
ブラシ |
動きはつかめるが先のバラケ方までの再現には至らない
|
バスドラ |
割と軽く 表情がつかめる
|
ベース |
やや電気的だが表現は感じられる
|
ギター |
曇っていて癖を感じるが表現は見える
|
総評 |
楽器に固有の癖が付きまとうが、表現しようとしていることは聞こえ正確ではないが楽しく聴ける。
|
付帯音があり、(特に高域)があり癖(キャラクタ)を作っている。楽器の表現は伝わってくるが癖のために誤って伝わる感じ、ちょっと煩いかなと思いつつ楽しく聴ける。
デジット \10抵抗
Music
|
楽器
|
デジット \10抵抗
|
Rebbeca Pigion
|
ボーカル |
平面的なボーカルの上に変な反響が付きまとい霞みがかかったよう。ダイナミックレンジが圧縮されたような感じで聞いていて楽しくない。
|
潮田益子
|
バイオリン |
平面的でナローな弦 曇りがかかって癖が強く鳴り方がばらばらで融和していない。
|
LA4
|
鐘 |
硝子の鐘
|
フルート |
平面的で輪郭もあやうい感じ
|
ブラシ |
ブラシの動きが曇っていて見えない
|
バスドラ |
重い、輪郭だけで中身を伴っていない
|
ベース |
輪郭だけのベースで楽器の表情が見えない
|
ギター |
身の詰まっていない平面的なギター
|
総評 |
なんとも平面的で楽器や演奏家の表情が見えてず つまらない演奏に聞こえる
|
とにかく音が「平面的」レンジが狭く、楽器の内容、表情が伝わってこない。今回もやっぱり不動のワースト1は健在です(^ ^;;
HOLCO
Music
|
楽器
|
HOLCO
|
Rebbeca Pigion
|
ボーカル |
当たりが柔らかい 曇りが感じられる。エネルギが高域寄り。バック演奏が弱くオフな表現で音場が萎縮した感じ。聞いていてつまらない。
|
潮田益子
|
バイオリン |
曇り感が強いが、楽器の一貫性は保っている。癖が強く楽器の資質を正確に表現しないが、比較的良く鳴る方で弱音部もレベルを保っている
|
LA4
|
鐘 |
金属の鐘の音だが、余韻がやや割れる
|
フルート |
粉っぽいおとなしめのフルート
|
ブラシ |
ブラシの動きは判るが、ブラシの先の動きが読めない
|
バスドラ |
重くはないが皮の動きまで読めない
|
ベース |
浮いた感じ、ベースの輪郭が判るが中身が見えない
|
ギター |
弦を弾いていることはわかるが弦が見えない。胴鳴りとうまくミックスしていない。
|
総評 |
全体の動きはバランスが取れて聴けるが 上すべりして中身を伴っていない感じ
|
楽器の輪郭を割と正確に表現できるが、質を伴っていないため上すべりした表現力しかないためバランスは取れていいるが聞いていて楽しくない。
IRC
Music
|
楽器
|
IRC
|
Rebbeca Pigion
|
ボーカル |
浮遊したような付帯音があるが曇りは少ない やや高域寄りか? 若干雑味があり やや煩く癖があるが、ディテールの表現は良い。バランスは取れている方
|
潮田益子
|
バイオリン |
若干ヒリヒリ感があるが曇り感が少なくレベルは高い 雑味があり消え際がスムーズさに欠ける(高いレベル)弱音部も破綻しないがちょっと雑味がありナチュラルまでいかない。
|
LA4
|
鐘 |
硝子の鐘+金属の余韻
|
フルート |
表情のあるソフトなフルートで良好
|
ブラシ |
ブラシの動きは読め、先の動きもある程度読める
|
バスドラ |
やや湿った感じだが重くは無い
|
ベース |
動きは読めるし資質も判るが、遠い
|
ギター |
やや浮きぎみだが、弦の動きはだいたいわかる胴鳴りとのバランスも取れている
|
総評 |
雑味があるため浮ぎみな印象を持つが だいたいナチュラルに表現されているため聴きやすく楽しい。
|
煩さ、雑味を感じるが、内部に及んだ輪郭の表現が良い味を出していて聴きやすく、楽しい。
KOWA 2W
Music
|
楽器
|
KOWA 2W
|
Rebbeca Pigion
|
ボーカル |
曇りはあるが少ない、付帯音が少ないが癖が感じられる。ディテールの表現が優れる方 音場のでき方も良好な方 バランスが取れていて聴きやすい。
|
潮田益子
|
バイオリン |
ややヒリヒリで上すべり感はあるが、ナチュラルな感じで楽器の一貫性があり融和感がある。弱音部もこの資質は変化せず良好
|
LA4
|
鐘 |
金属の鐘で質感が良好
|
フルート |
ややソフトだが滑らかで聴き易い
|
ブラシ |
ブラシの動きが見えるが一本一本まで見える解像力はない
|
バスドラ |
軽く鳴る 重くない
|
ベース |
やや遠く浮気味だが、質感は良好
|
ギター |
弾き音が先行するが、胴鳴りとのバランスは取れていて聞いていて楽しい
|
総評 |
YAMほどの表現力は無いが、楽器の音色を正確に表現する方で安心して聴ける
|
金皮特有の曇り感、癖は持つがかなり少なく 解像力はほどほどだが、楽器の音色を正確にナチュラルに表現する能力を持ち安心して聴ける。
MEPCO
Music
|
楽器
|
MEPCO
|
Rebbeca Pigion
|
ボーカル |
独自の抜けたような透明感があるがエネルギが高域寄りで子音が強調される。バックの演奏のディティールが出ていて霞みが少ない。バランスが高域にバイアスがかかっているので偏っているがそれを除けば悪くない。
|
潮田益子
|
バイオリン |
一聴で曇りの少なさが聞き取れる。高域エネルギが強いのでやや荒れて聞こえるが一貫性はある。癖がじゃまをしているが楽器としての融和は保たれている。弱音部でも破綻しないのは良好。
|
LA4
|
鐘 |
余韻がキラキラした金属の鐘
|
フルート |
割と正確なフルートを表現している
|
ブラシ |
ブラシおよび先の動きがほぼ読める
|
バスドラ |
軽い、動きが読める
|
ベース |
弾む感じが出ている。胴鳴りと弦の動きもバランス良
|
ギター |
弦の動きが読める、胴鳴りも融和する
|
総評 |
楽器の表現はかなり正確で楽しく聴けるが、全体にエネルギが高域よりに聞こえる。
|
曇りが少なくSN良好で 楽器の動きがかなり正確に把握できるが、高域強調の性質があり総合バランスがやや崩れ気味なのが残念。
Philips
Music
|
楽器
|
Philips
|
Rebbeca Pigion
|
ボーカル |
金皮特有の曇りがある。エネルギが高域寄り子音が強調される。表現が平面的でスケールが縮まった状態でバランスが取れている。
|
潮田益子
|
バイオリン |
やや上すべり感がある。曇りがかかっているが、楽器としての一貫性は保持している。聴感上のSNが悪いためスポイルされているが弱音部も悪くはない。全体に縮まった感じ
|
LA4
|
鐘 |
ガラスの鐘 歪んでいる 薄い
|
フルート |
おとなしめ、遠いが悪くない
|
ブラシ |
浮気味でブラシの細かい動きは見えない
|
バスドラ |
ベタベタと重い
|
ベース |
遠い、動きは判るが輪郭だけ見える感じ
|
ギター |
弾き音が曇り癖があってリアルではない 胴鳴りも痩せている
|
総評 |
全体に、曇りがあり痩せて楽しくない。楽器の音がだんごになって並べられている感じ。
|
付帯音があり、曇り感、上すべり感に繋がっている。楽器の輪郭は描くことは可能だが中身まで描き切る能力は無い。したがってリアリティに欠ける。
RE55+VEM
Music
|
楽器
|
RE55+VEM
|
Rebbeca Pigion
|
ボーカル |
付帯音はあるが少なく耳につきにくい曇りは少ない方 ボーカルはかなりニュートラル バックの演奏も偏りが少なく トータルバランスが取れていて聴きやすい。
|
潮田益子
|
バイオリン |
余韻に上すべり感があり煩いが、一貫性がありギリギリ融和している。弱音部でも破綻しない。曇りと癖が感じられるがバランスは悪くない。
|
LA4
|
鐘 |
硝子と金属の中間の感じ
|
フルート |
ナチュラルで表情のあるフルート
|
ブラシ |
使い分けがよく見える、先のバラけ方が見える
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バスドラ |
軽い、皮の動きが判る
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ベース |
表情のあるナチュラルな指使いで弦と胴鳴りがバランスしたベース
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ギター |
やや弾き音の勝った 表情のあるナチュラルなギター
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総評 |
楽器の特質を正確に表現でき しかもナチュラルなため トータルでバランスが取れており安心して聴ける
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癖はあるが少なく楽器がニュートラルに表現でき バランスも取れており安心して楽しく聴ける。
TAF
Music
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楽器
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TAF
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Rebbeca Pigion
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ボーカル |
付帯音が付き金皮特有の曇りがある。切れ込みが緩和されエッジが円くなるが聴きやすい ややナローレンジ 癖が強いので聞いていて気にかかり良くない。
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潮田益子
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バイオリン |
曇りが強く感じ取れる。力強さが少なく余韻成分が変に残る。癖が強くナローな弦。たち下がり限界点が低い。
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LA4
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鐘 |
金属の鐘 ちょっとひっかかりがある
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フルート |
ソフトなフルート 浮ぎみでディテールが不足するが良好
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ブラシ |
動きは読めるが、先がバラケている感じが出ていない
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バスドラ |
重くないが薄い
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ベース |
割と正確だが中身を伴っていない
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ギター |
割と正確だが、細かい弦の表情が読めない
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総評 |
レンジが狭いが割とバランスが取れており聴きやすいが、聞き込むと楽器の内容表現力の不足を感じる。
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曇りがありナローレンジで楽器を割と正確に表現するが、聞き込むと限界が見えてくる。
TAMA
Music
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楽器
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TAMA
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Rebbeca Pigion
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ボーカル |
ボーカルがややうわすべりしている。付帯音が感じられるが癖は少ない方 バックの演奏との混ざり合いがイマイチ 独自の浮いた音場感がありナチュラルではない。
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潮田益子
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バイオリン |
ナローで癖の強い弦 TAFよりマシ 余韻が遊離している。鳴り方がバラバラで融和してない。弱音部で表情が出ない。
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LA4
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鐘 |
かなり変わった硝子の鐘
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フルート |
ソフトで内容の伴っていない平面的なフルート
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ブラシ |
固まっているブラシの音
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バスドラ |
皮の動きが見えない 正弦波的な音
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ベース |
輪郭だけ、中身を伴っていない
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ギター |
ディテールが無く平面的になる。薄っぺら
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総評 |
非常に薄っぺらな表現で 変な癖にひっかかり 聞いていてちょっと違うと感じてしまう。
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曇り、癖と共に強く正確な楽器の表現に適さず平面的な表現になっていまう。聞いていて楽しくない。
TDA
Music
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楽器
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TDA
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Rebbeca Pigion
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ボーカル |
ボーカル自体は高音域の影が付きまとうが悪くない。バックの演奏は やや霞みがかかり円く切れ込みが悪いが、全体がバランスしていおり悪くない。
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潮田益子
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バイオリン |
余韻が遊離している感じがするし、曇り感もあるがバイオリンを良く鳴らす方である。弱音部でやや平面的になる。
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LA4
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鐘 |
硝子の鐘、余韻が少ない
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フルート |
ソフトで割と表情のあるフルート やや粉っぽい
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ブラシ |
動き、先の動きも割と読める
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バスドラ |
軽いがやや薄い
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ベース |
割と表現力のある胴鳴きが勝ったベース
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ギター |
やや遠いが割と正確なギター バランスも良好
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総評 |
全体のバランスは取れていて聴きやすく、ある程度まで楽器の表情が読める
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細かい表現力は劣り平面的になるが割と楽器を正確に鳴らし、レベルは高くないが聞いていて割と楽しく聴ける。
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6.総評
金属皮膜系抵抗は 聞いた11種類の抵抗間の格差が非常に大きいものです。 格差の少ないカーボン抵抗と連夜で試聴したため、各々の抵抗の音色の格差を痛感しました。
無理やり格付けを行うと
松 :KOWA / RE55+VEM
梅 :IRC / MEPCO
竹 :DALE CMF / TDA / Philips / HOLCO
格下 :TAF / TAMA / Digit \10
格下の3種はおそらく前回のカーボン抵抗の最下位よりもさらに下です。
TAFの評価が低かったのですが、私の購入した抵抗がたまたまハズレだった可能性もあります。
まぁ、しかし生産中止品種なので あえて捜し回る必要もないでしょう。
・今回、思わぬ伏兵だったのがKOWAのでぶっちょ2W抵抗で、\100@と安いし、今後使うことになりそうですが、大きいので半導体アンプの場合、使う箇所が限定されそうですね。
・RE55+VEMを除いて、大型の抵抗の方が評価が高いという結果になってしまいました。
・ふつうのカプセル型の金皮ではDALE CMFがベストか?
ちょっと高域に癖があるけど..
→このサイズの抵抗が基板レイアウト上 使い易いので いいのが欲しいのですが..
以上の結果より
◎予選通過抵抗を
Hi-Fiクラス KOWA 2W,RE55+VEM の2本
エコノミークラス KOWA 2W,DALE CMFの2本
とします。
RE55は枯渇してきているんでエコノミークラスからあえて外しました。
金属皮膜抵抗は値段も手ごろでノイズも少なく、比較的小さくて扱いやすいんですが、曇った感触があって良い巻線抵抗と比べると鮮度が不足している感じがします。
今後の予定
次は、
・Part 6 チップ抵抗 4種
となっています。
チップ抵抗には縁のない方が多いと思いますが、私はSOPデバイスを使用した極小基板作成やらポータブル市販機器の改造にはチップ抵抗は欠かせません。
抵抗自体も100個単位でしか買えなかったり、キット買うと数万円飛びますから外形は小さいものの投資額がデカイので、当たりの抵抗があることを期待してしまいます。
すでに評価は終り、HTMLに仕上げるだけですが、すんません時間がかかります。
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