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抵抗比較実験 No.4
I/V変換抵抗 カーボン系

はじめに

 Part3でカーボン抵抗から比較試聴すると宣言してから、個々の抵抗も着々と125Hのエージングを終えましたが、Congeさんに「おでかけDAC」を貸し出すことになり、しばらく中断しておりました。

 7月中旬に「おでかけDAC」戻ってきて各基板の再チェック、半田しなおし等の調整を終え やっと評価を再開でしました。

 個人的にカーボン抵抗は嫌いではありません。

 やや丸まった音と癖があるものの金皮抵抗にまとわりつく曇り感がないのが良い点です。

 今回9種類を聴きましたがどう評価されますやら。

1.評価したシステムなど
2.評価した抵抗
3.試聴ソースに関して
4.評価順序
5.評価結果
6.総評


1.評価したシステムなど

 システム概要に関しては第3回参照してください。

 大きく変わった点は、トランスポートでiNFRA 6000改造機よりKENWOOD DP990SGという十数年前の中級機を使っています。外見はノーマルですが、中身は大幅な改造しており精度、音質共が大幅に上がっています。

 iNFRA6000改造トランスポートもメカ部の強化等によりかなり良い線を行っていたのですが、KENWOODと比べると精度間と滑らかさが足りませんので今回はKENWOODをチョイスしました。いずれ iNFRAも大幅に改造するつもりです。

 ラインアンプはパーツを変えていませんが、相次ぐ改造で旅館建て増し状態だったため、一度ばらして半田づけしなおしました。これにより雰囲気音の再現性が上がりました。

 パワーアンプはダイオード評価に伴う改造で 左右独立電源を共通電源化しレベルダウンしています。検出抵抗をDALE NH10よりLVRに変えてバランスを若干崩しています。

 「おでかけDAC」は、相次ぐ改造と酷使により配線と半田づけが怪しくなってきたため、再調整と半田しなおしを行い、滑らかさが向上した?かな。  パワーアンプのマイナス面はあるのですが、トータルのシステムとしては検出能力が向上しました。


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2.評価した抵抗

 今回より、既評価の抵抗に関してもできるだけ精度の良い評価を行うために抵抗の足を最短にしコネクタへの半田づけをやり直しました。その後、125Hのエージングを行いました。

 今回評価したカーボン抵抗は以下のとおりです。

No
写真
メーカー
型式
種別
W数
価格
購入店
エージング
1
東京光音 RD カーボン皮膜 1/2W \200 三栄電子 125H+125H+α
2
東京光音 RD カーボン皮膜 1W \90 海神電子 125H
3
秋月電子 ? カーボン皮膜 1/4W \1(\100/100個) 秋月電子 125H+α
4
理研 RMG カーボンソリッド 1/2W \230 海神無線 125H+α
5
理研 RDB カーボン皮膜? 1/2W ? もらいもの 125H+α
6
AB ? カーボンソリッド 1/2W \250 三栄無線 125H
7
タイヨーム ? カーボン皮膜 1/4W \20 海神無線 125H
8
コウアツ ? カーボン皮膜 1/4W ? もらいもの 125H
9
Philips CR カーボン皮膜 1/4W ? もらいもの 125H


 写真みて変化が気付いた方は居るかな? 実は、抵抗の足を最短にするように切り直し半田をしなおしました。(前回までは手抜きでした..)
 半田し直しに伴い エージング125Hを追加しています。


各抵抗に関して

  •  東京光音 :RDカーボン皮膜抵抗は、第3回の評価で1/2Wが良いと判断しましたが、その後海神無線で1Wのものを半値の\90で販売開始しましたので急遽エントリしました。1/2Wと1Wでどのような差が出るかが楽しみです。ただし、1/2Wに関しては第3回の評価後 半田しなおして再度エージングかけていますので 1Wに対して2倍以上のエージングをしていることになります。

  •  秋月電子 :抜群のコストパフォーマンスで工業用ですが、たまたま音響用にも耐えうる実力があることが第一回の評価で判ったのでエージング後の評価が楽しみです。貧乏人の救世主になるか?

  •  RMG  :定番ですね。前回と同じく1/2Wを聴きました。

  •  RDB  :セイデンのロータリSWと組み合わせてアッテネータをこさえるのに使う抵抗です。詳細はわかりませんがカーボン皮膜のようです。RMGとの違いが聴き所

  •  AB   : Western Electricの時代からの定番ですね。当時のものと最近のものは違うと言う話がありますが、他と比べてどうかな?今回は1/2Wを使いました。

  •  タイヨーム:ラ技の木塚さんが良く使いますね。これも庶民の味方ですが実力は?

  •  コウアツ :評価用にもらいましたんで詳細を知りません。ごめんなさい

  •  Philips  :量産品に使われることの多そうなPhilipsのカーボンです。


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3.試聴ソースに関して

 第3回と同じようなソースですが、今回はボーカルを変えました。




ジャンル
アーティスト
アルバム
CD番号
Track
曲名
楽器
ボーカル Rebbecca Pidgion the raven Chesky JD115 #3 the raven ボーカル・ソロ
ジャズ The LA4 亡き王女のためのパヴァーヌ EAST WIND PHCE2043 #1 亡き王女のためのパヴァーヌ サックス、ギター、ドラム、ベース
バイオリン 潮田 益子 イザイ バイオリン・ソナタ op27 fontec FOCD3284 #4   バイオリン・ソロ


 ボーカルのチェックには前回までKeiko Leeを使いましたが、Rebbecca PidgionはCongeさんがチェスキーのCDを扱い始めて何回も聞くうちに気にいって購入したCDです。

 Rebbeca Pidgionという名前を知りませんでした。(ファンの皆さんごめんなさい) 録音はいいわ、歌は聞き易いわで気に入ってしまいました。

 ボーカルのチェックとしてはこっちの右方が上なのでKeikoさんには悪いのですが引退をおねがいしました。

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4.評価順序

 評価順序ですが、抵抗に聞いてください(^ ^;;

 というのもランダムにするため 全抵抗を手で握ってガチャガチャ振って机の上にエイヤッと投げ、遠くに散らばった順序としています。

 従って、地球上でやるかぎり軽い抵抗ほど遠くに飛ぶ物理の法則には依存しますが、基本的にランダムです。

 ただ、東京光音の抵抗に関しては 比較を聞きたかったので近接しています。

 順序は以下のとおり
No
ボーカル
バイオリン
ジャズ
1
東京光音RD 1W コウアツ AB
2
東京光音RD 1/2W AB RMG
3
秋月 理研RD 秋月
4
RMG タイヨーム 東京光音RD 1/2W
5
AB Philips 東京光音RD 1W
6
タイヨーム 東京光音RD 1/2W コウアツ
7
コウアツ 東京光音RD 1W タイヨーム
8
理研RD RMG Philips
9
Philips 秋月 理研RD

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5.評価結果

 今回は数が多いので比較しやすいように曲毎にまとめてみました。

ボーカル(Rebbaca Pidgon)
順番
種類
試聴結果
1
東京光音RD 1W 子音が若干強調か、自然な感じだが ちょっと荒い。バックとのバランスは良好 ややアタックが円くなるか
2
東京光音RD 1/2W 1Wより表情が良くつかめる、子音の当たりはキツくない 良好バックとのバランスは良好だがバックが遠く円くなる。
3
秋月 ややハイ上がり 細かい感じがつかみ難い、子音が耳につくほどではない。やや癖が耳につくバックにも癖が付く 全体に膨らむ感じ
4
理研 RMG 細かい表情がつかめる。やや高域よりの癖があるキラキラした感じで バランスをやや崩している。ピアノ等独自の癖が付きまとう
5
AB 独自の空気感が心地よい 混濁感がありHiFiではないが 歌い上げる感じが良い。ディティールがつぶれているが 混濁感をうまくコントロールして聞かせる
6
タイヨーム やや高域よりであるが良好 ディティールは欠けるがまとまり方が良い。バックの演奏が遠い、ピークが円くなる感じ
7
コウアツ ボーカルは良好、やや子音強調。バックのディティールがつぶれているため バランスは取れているがリアル感は薄い。
8
理研 RDB 当たりが柔らかい、やや子音強調 独自の癖があるがRMGより少ない ボーカルでは透明感を演出している。バックのリアル感が良好 距離が近い感じ
9
Philips CR 当たりが柔らかい、バックの霞みが少ない ディティールが立っているほうでは無いがボーカルの表現は良好


バイオリン(潮田益子)

順番
種類
試聴結果
1
コウアツ 大味になっている。楽器の輪郭のみが残っている感じ表情に乏しい、ディティールの余韻の表現がダメ
2
AB 弦が太い。良く歌うが、ディティールが飛んでいて骨太なサウンド。ナローレンジながらバイオリンをよく鳴らしている 雑味が多いが輪郭がしっかりしている。
3
理研RDB 力強さと余韻が良いバランスを成している。SNは良いディティールまで聞こえ、わりと正確な感じ。表情を良く反映している。
4
タイヨーム やや雑味あり、大味な感じだが 力強さと余韻のバランスは取れている。ややザラザラしているが 大きなハンデは無い。
5
Philips 弦の表情が見える。やや滑った感じはするが弦の力強さと滑らかさが両立しバランスする。良い弱音部も良好
6
東京光音RD 1/2W 当たりが円くやや遠いが力強さと余韻が混じり合っており良好である。弦の表情も見える。この傾向は弱音部になっても変わらず安心して聴ける。
7
東京光音RD 1W 1/2Wとほぼ同じ傾向だが 若干弦が太く荒くザラザラ感が多目 弱音部の表現が1/2Wを」上回るか?
8
RMG 力強さより余韻が勝っている。きれいに聞こえるディティールは良く出ているが、癖が強いが弦の表情はよくわかる。
9
秋月 弦が膨らむ 余韻が力強さに勝つが 癖が強く弦の美しさを表現仕切れていない。ディティールがつぶれる。弱音部になると表現力が落ちる。


ジャズ(LA4)

楽器
順番
種類
試聴結果
1 AB 結構金属感が出ているが高域がしんどい
2 理研RMG ガラスの鐘 少し分厚い感じ、高域の爽やかさは無い
3 秋月 金属の鐘だが、若干透明度が足りない
4 東京光音1/2W 奇麗な金属の鐘 繊細感が良好
5 東京光音1W 奇麗だが、ややこなれていない。ガラス質
6 コウアツ やや音が割れている感じ。倍音が頭に響いて刺激的
7 タイヨーム 金属とガラスの中間的な感じで高域は出ている 割と良好 刺激的ではない
8 Philips やや硬質な感じ、耳に高域が付く
9 理研RDB 金属ちゅうよりガラス、あまりしつこくない
フルート
1 AB やや乾いた感じ、繊細感は無いがバランス良好
2 理研RMG 穏やかで聴きやすい
3 秋月 やや乾いた表現
4 東京光音1/2W 自然な感じのバランス。まとまり良好
5 東京光音1W バランス良好、聴きやすい
6 コウアツ 表情に乏しい感じ。これも高域が耳に付く
7 タイヨーム やや粉っぽく遠いがバランス良好
8 Philips やや平面的、粉っぽい
9 理研RDB 良い、自然な感じ。リアル感がある
ブラシ
1 AB シャラシャラした細かい感じは出ない。解像力不足
2 理研RMG けっこうブラシの表情は出る 太鼓の上でバラけている感じは表現できている
3 秋月 ブラシがバラけている感じが不足
4 東京光音1/2W 悪くないが、若干繊細感が不足 表情はかなり判る
5 東京光音1W オン表現。1/2よりブラシ感が出ている
6 コウアツ バラけた感じは不足
7 タイヨーム 割とブラシのバラケ感は良い
8 Philips 薄いが 速い、皮の鳴り方もそこそこで
9 理研RDB ちょっとザラついているが、やりたいことが読める。
バスドラ
1 AB ドサ、ドサ。実体感がなくなる
2 理研RMG 軽く弾む感じ。良い
3 秋月 ちょっとドロンとした感じ。リアル感は少ない
4 東京光音1/2W ややドロンとして表情に乏しい
5 東京光音1W 良好 表情が判る
6 コウアツ ドロンとして乾いていない
7 タイヨーム ドロンとして弾み感に欠ける
8 Philips 軽い。わりと良い
9 理研RDB 表情が出ている。軽い
ベース
1 AB 悪くないが、実態感がやや少ない、浮ついた感じ
2 理研RMG リアルさは不足するが無難にまとまっている
3 秋月 比較良好、表情は読める
4 東京光音1/2W 締まった感じ、バランスは良好
5 東京光音1W 胴鳴りが心地よい、ベースのリアル感がけっこうある
6 コウアツ 遠くで鳴っている感じ
7 タイヨーム ちょっと遠い。バランスは良好
8 Philips 遠く薄い感じ
9 理研RDB ちょっと遠いか ちょっとしまりが無いがバランス良好
ギター
1 AB 胴鳴りが優先する感じ、弦を弾く感じは後退する
2 理研RMG 弦を弾く表情は表現できている。胴鳴りと弦のバランスは良好
3 秋月 弾き音が勝っており、ピークがつぶれた感じがある。
4 東京光音1/2W 胴鳴りと弾き音のバランスは良好だが 繊細感が不足するためリアル感が足りない
5 東京光音1W アタック音が優勢、ややアンバランス
6 コウアツ 面白くない音 弾き音が平面的、余韻が早々に収束する感じ
7 タイヨーム 変な癖がある。胴鳴りがやや平面的
8 Philips バランス良好だが遠い感じ
9 理研RDB やや弾き音が勝っているが、バランスしている あまり遠くない やや煩い
総評
1 AB 無難だが、実在感に欠ける感じ 繊細感が不足で聴きやすいが聞き入る感じではない。バランスで聞かせるタイプ
2 理研RMG 癖を感じるが馴染んでいる感じがある。カーボンの中では比較的ディティールが表現されている方で、ギターフルートとの馴染みが良好
3 秋月 繊細感が足りず ドロンと丸まった表現になりやすい。このためリアル感は不足する。ややアタック音が優勢な感じ
4 東京光音1/2W バランスが良く癖が少ないので良好 ディティールの表現ができるとさらに良好
5 東京光音1W 1/2に比べてエージング不足な感じ 低音より、全体のバランスは良好で安心して聴ける。
6 コウアツ 全体に音が遠く。混濁感があり楽しくない
7 タイヨーム 高音域は良好だが、中音域に独自の癖がある。やや楽器が遠い感じがする。全体では、良好なバランスである。
8 Philips 薄い、遠いといった印象 ディティール高域は良好だが、薄い感じがする。
9 理研RDB 良好だが、癖があり合った楽器は良好であり合わない楽器は煩く、全体としてややアンバランスか?


各抵抗別の評価結果

 書いてある内容は 上の評価と同じですが、見やすいように抵抗別に分けました。

コウアツ
Music
楽器
コウアツ
Rebbeca Pigion
ボーカル ボーカルは良好、やや子音強調ぎみ。バックのディティールが潰れているためバランスは取れているがリアル感は薄い
潮田益子
バイオリン 大味になっている。楽器の輪郭のみが残っている感じ 表情に乏しい、ディティールの余韻の表現がダメ
LA4
やや音が割れている感じ。倍音が頭に響いて刺激的
フルート 表情に乏しい感じ。これも高域が耳に付く
ブラシ バラけた感じは不足
バスドラ ドロンとして乾いていない
ベース 遠くで鳴っている感じ
ギター 面白くない音。弾き音が平面的。余韻が早々に収束する感じ
総評 全体に音が遠く、混濁感があり楽しくない

 S/Nが悪く混濁感が付きまとい大味に聞こえる傾向がある。
 弱音部と余韻の表現が苦手。ABほど洗練されていないので骨太とも言えず 並みのカーボン抵抗レベル
 わたしゃ自作アンプには使わない。

Philips CR
Music
楽器
Philips CR
Rebbeca Pigion
ボーカル 当たりが柔らかく、バックの霞みが少ない。ディティールが立っているほうでは無いがボーカルの表現は良好
潮田益子
バイオリン 弦の表情が見える。上滑り感はするが弦の力強さと滑らかさが両立しバランスし良い。弱音部も良好
LA4
やや硬質な感じ、耳に高域が付く
フルート やや平面的、粉っぽい
ブラシ 薄いが 速い、皮の鳴り方もそこそこで
バスドラ 軽い 割と良い
ベース 遠く薄い感じ
ギター バランス良好だが遠い感じ
総評 薄い、遠いといった印象 ディティール高域は良好だが、薄い感じがする。

 ややエネルギは高域寄りでディティールも得意な方ではないがバランスしておりカーボンの中では良好。

タイヨーム
Music
楽器
タイヨーム
Rebbeca Pigion
ボーカル やや高域よりであるが良好 ディティールは欠けるがまとまり方が良い。バックの演奏が遠くピークが丸くなる感じ
潮田益子
バイオリン やや雑味あり、大味な感じだが力強さと余韻のバランスは取れている。ややザラザラしているが、大きなハンデはない。
LA4
金属とガラスの中間的な感じで高域は出ている 割と良好 刺激的ではない
フルート やや粉っぽく遠いがバランス良好
ブラシ 割とブラシのバラケ感は良い
バスドラ ドロンとして弾み感に欠ける
ベース ちょっと遠い。バランスは良好
ギター 変な癖がある。胴鳴りがやや平面的
総評 高音域は良好だが、中音域に独自の癖がある。やや楽器が遠い感じがする。全体では、良好なバランスである。

 雑味があるがバランスは良好。S/Nが悪いためか滑らかさが足りずやや遠い感じはするが癖が強くなく使える。

秋月1円抵抗
Music
楽器
秋月
Rebbeca Pigion
ボーカル ややハイ上がり 細かい感じがつかみ難い、子音が耳につくほどではないがやや癖が耳につく。バックにも癖が付く。全体に膨らむ感じ
潮田益子
バイオリン 弦が膨らむ。余韻が力強さに勝つが 癖が強く弦の美しさを表現仕切れていない。ディティールがつぶれていて弱音部になると表現力が落ちる。
LA4
金属の鐘だが、若干透明度が足りない
フルート やや乾いた表現
ブラシ ブラシがバラけている感じが不足
バスドラ ちょっとドロンとした感じ。リアル感は少ない
ベース 比較良好、表情は読める
ギター 弾き音が勝っており、ピークがつぶれた感じがある。
総評 繊細感が足りず ドロンと丸まった表現になりやすい。このためリアル感は不足する。ややアタック音が優勢な感じ

 独自の癖があり、チューニングで狙ったものでないため楽器の選り好みがある。癖はRMGに近いが ディティールの再現性が足りないため荒くなっている。
 癖を容認できれば使え抜群のCPを誇る。

理研 RDB
Music
楽器
理研 RDB
Rebbeca Pigion
ボーカル 当たりが柔らかい、やや子音強調 独自の癖があるがRMGより少ない。ボーカルでは透明感を演出している。バックのリアル感が良好 距離が近い感じ
潮田益子
バイオリン 力強さと余韻が良いバランスを成している。S/Nは良いディティールまで聞こえ、割と正確な感じ。表情を良く反映している。
LA4
金属ちゅうよりガラス、あまりしつこくない
フルート 良い、自然な感じ。リアル感がある
ブラシ ちょっとザラついているが、やりたいことが読める。
バスドラ 表情が出ている。軽い
ベース ちょっと遠いか、ちょっとしまりが無いがバランス良好
ギター やや弾き音が勝っているが、バランスしている。あまり遠くない。やや煩い
総評 良好だが、癖があり合った楽器は良好であり合わない楽器は煩く 全体としてややアンバランスか?

 癖はあるが正確な表現ができる。割とオールラウンダーで若干切れ込みの悪さはあるがカーボンとしては良好。

理研 RMG
Music
楽器
理研 RMG
Rebbeca Pigion
ボーカル 細かい表情がつかめる。やや高域よりの癖があるキラキラした感じで バランスをやや崩している。ピアノ等独自の癖が付きまとう。
潮田益子
バイオリン 力強さより余韻が勝っていてきれいに聞こえる。ディティールは良く出ているが、癖が強いが弦の表情はよくわかる。
LA4
ガラスの鐘。少し分厚い感じ、高域の爽やかさはない
フルート 穏やかで聴きやすい。
ブラシ けっこうブラシの表情は出る 太鼓の上でバラけている感じは表現できている。
バスドラ 軽く弾む感じ。良い
ベース リアルさは不足するが無難にまとまっている
ギター 弦を弾く表情は表現できている。胴鳴りと弦のバランスは良好
総評 癖を感じるが馴染んでいる感じがある。カーボンの中では比較的ディティールが表現されている方で、ギターフルートとの馴染みが良好

 癖が強いが良くチューンされており聴き心地よい。ディティールの表現はカーボンの中でもっとも良い。持続音系の楽器は良好で 癖が容認できれば良い選択となりうる。

東京光音RD 1/2W
Music
楽器
東京光音RD 1/2W
Rebbeca Pigion
ボーカル 1Wより表情が良くつかめる、子音の当たりはキツくなく良好 バックとのバランスも良好だがバックが遠く丸くなる
潮田益子
バイオリン 当たりが丸くやや遠いが力強さと余韻が混じり合っており良好である。弦の表情も見える。この傾向は弱音部になっても変わらず安心して聴ける。
LA4
奇麗な金属の鐘 繊細感が良好
フルート 自然な感じのバランス。まとまり良好
ブラシ 悪くないが、若干繊細感が不足。表情はかなり判る
バスドラ ややドロンとして表情に乏しい
ベース 締まった感じ、バランスは良好
ギター 胴鳴りと弾き音のバランスは良好だが 繊細感が不足するためリアル感が足りない
総評 バランスが良く癖が少ないので良好 ディティールの表現ができるとさらに良好

 やや遠く丸くなる傾向があるが、癖があまり無くオールラウンダーで安心して聴ける。


東京光音 RD 1W
Music
楽器
東京光音 RD 1W
Rebbeca Pigion
ボーカル 子音が若干強調か、自然な感じだが ちょっと荒い。バックとのバランスは良好 ややアタックが丸くなるか
潮田益子
バイオリン 1/2Wとほぼ同じ傾向だが 若干弦が太く荒くザラザラ感が多目 弱音部の表現が1/2Wを上回るか?
LA4
奇麗だが、ややこなれていない。ガラス質
フルート バランス良好、聴きやすい
ブラシ オン表現。1/2よりブラシ感が出ている
バスドラ 良好。表情が判る
ベース 胴鳴りが心地よい、ベースのリアル感がけっこうある
ギター アタック音が優勢、ややアンバランス
総評 1/2に比べてエージング不足な感じ 低音より、全体のバランスは良好で安心して聴ける。

 傾向は東京光音 1/2Wとほぼ同じだが、太くなる傾向がある。エージング不足からかディティールの表現に荒さが残っておりこの点1/2Wに劣る。

 さらなるエージングが進まないと1/2Wの優劣は付けがたいが 勝っている可能性もある。

AB
Music
楽器
AB
Rebbeca Pigion
ボーカル 独自の空気感が心地よい 混濁感がありHi-Fiではないが 歌い上げる感じが良い。ディティールがつぶれているが混濁感をうまくコントロールして聞かせる
潮田益子
バイオリン 弦が太い。良く歌うが、ディティールが飛んでいて骨太なサウンド ナローレンジながらバイオリンをよく鳴らしている 雑味が多いが輪郭がしっかりしている。力強さと余韻のバランスはまずまず。
LA4
結構金属感が出ているが高域がしんどい
フルート やや乾いた感じ、繊細感は無いがバランス良好
ブラシ シャラシャラした細かい感じは出ない。解像力不足
バスドラ ドサ、ドサ。実体感がなくなる
ベース 悪くないが、実体感がやや少ない、浮ついた感じ
ギター 胴鳴りが優先する感じ、弦を弾く感じは後退する
総評 無難だが、実体感に欠ける感じ 繊細感が足りず聴きやすいが聞き入る感じではない。バランスで聞かせるタイプ

 一言で言うと骨太 ダイナミックレンジも周波数レンジもナローだが、楽器の輪郭はしっかりつかまえており輪郭で描き切るタイプ Hi-Fiではないが、Westernの製品に共通するディティールを捨てても本質を取るところがあり一部マニアに愛用されるのもうなずける。

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6.総評

 まず一言。今回の比較試聴は同系列の抵抗で音が似ているため違いを聞き分けるのにえらい苦労しました。

 特に、カーボン抵抗はぶっちゃけた話上から下まで大差ありませんが、それでもメーカーさんが苦労して音作りを意識したものとそうでないものは確実に聞き分け出来ました。

    ・だいたい3種類くらいにクラス分けできそう

     1.癖の少ないリファレンス路線
       → 東京光音RD 1/2W , 1W , 理研 RDB

     2.音作りを狙った癖の強いもの
       → AB 理研 RMG

     3.それ以外
       → コウアツ、Philips CR、タイヨーム、秋月

    ・アッテネータ用の抵抗は癖が割合と少ない(RD,RDB)
    ・繊細感はRMGが良い
    ・おもわず唸ってしまうABの音作り Hi-Fiじゃないが..
    ・しっかり作った抵抗の方が評価が高い
    ・秋月1円抵抗は前回より相対評価が低くなった

    ◎予選通過抵抗を
      HiFiクラス     東京光音 RD 1/2W 理研 RDB の2本
      エコノミークラス タイヨームPhilips CR の2本
     とする。

      癖の強いクラスを作ってABとRMGを予選通過にしようと思ったが、癖の強いもの集めても比較出来んから止めました。

今後の予定

 実はもうすでに3夜連続で 抵抗評価をしてしまいました。
      ・Part 4 カーボン抵抗  9種(済)
      ・Part 5 金属皮膜抵抗 11種
      ・Part 6 チップ抵抗   4種

     HTMLにまとめる作業は頭の中が整理できて良いのですが、性格がものぐさなため完成までに時間がかかりますんで追い追い公表して行きます。
     最近、また抵抗が増えて来て この後のカテゴリ分けをどうしようか悩んでいますが こんな分け方にするつもりです。

      ・Part 7 酸金抵抗
      ・Part 8 箔抵抗
      ・Part 9 巻線、セメント抵抗

     ををっと、まだ半分も終ってないぞォ。いつ本戦が出来ることやらやら?

     次回は、金属皮膜抵抗です。結果は私だけが知ってるんですが...待っててくださいね(^ ^;;

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