AMP-5511K試聴記
東京の飯田様より
今までは秋葉原の実験スペースで石田さんが作られた旧型のバクーン・プロダクツ社製の基板を利用したパワーアンプを使っておりました。
このたび、試聴屋さんからAMP-5511Kを借り出して石田さんがキットを組み立てたとの事で試聴しました。
まず第一印象ですが、とても静かなアンプです。CDプレーヤも接続し、実使用条件に近い環境でノイズの発生が少ないようです。
コンデンサ入力電源、これが標準ですが、今回の石田さんのものはさらに切り替えでチョーク入力になるような改造がしてありました。
どちらの場合にも、能率が低いスピーカとはいえ、日曜日のオフィスはとても静かでふだんはハム、ノイズが少し聞こえることがあるのですが、AMP-5511Kはスピーカにかなり耳を近づけないと聞こえません。
このノイズが高いとそれだけでいやになってしまうのですが、まずは合格点です。自宅に持って帰っても、現用の McCormak
Micro Line Drive +Audio Alchemy OM150A より低雑音です。
音を出しますと、ん?まだちょっと眠い音です。どうもアイドリングの電流が少な目のアンプのせいか寝起きが悪い子のようです。このまましばらく聴いていると徐々に焦点があってきます。このあたりはもう少しアイドリングをドライバ段、パワー段で増やしたほうが良いらしい。
ただし発熱は大きな放熱板が付いているせいか、ほとんどなく夏でも気楽に使えます。まずは秋葉原の実験スペースで使ってみました。おおっ、なかなか低音が伸びます。昨年の夏に同じスピーカで聴いたCHORDのStudio用パワーアンプがもっとも良い音でキット201を鳴らしましたが、価格は製品でも1/3、キットでは1/7のAMP-5511Kから似たような深みが出ると嬉しくなります。
高音は電源投入直後は少し眠い感じですが、1時間ほどすると起きてきます。あれっ少し出ていないかなとも感じましたが、目覚めた後ではかなり切れの良い感じでなります。何よりうるさい感じが付きまとわずに鳴るのが良いと思います。MOS-FETをパワーに使用したアンプに付きまとう「スカスカの高音」や「シャラシャラとなる高音」は全くありません。
同じバクーンのSATRI-100と言うStudio用の超ド級のアンプ (マーク・レヴィンソンML-33HL並みの重さと価格)と比べましたが低域の深みや静けさはわずかに劣るものの、完成品で30万円、キットで10.5万円のアンプでは絶対に出ない良い音です。
石田さんの好意で貸し出していただいたものですが、自分でも欲しくなりその場でアンプモジュールを発注しました。電源だけ石田さんのもの(チョーク入力が音楽が静かで良い)よりさらに強化したものにする予定です。シャーシは最近凝っている銅板厚板10mm厚で放熱板をかねさせます。
ともかくキットの10万5千円のものとアンプモジュール5万円のものは購入して損はありません。NEC A-10X?をBTLで使っている友達のM氏は「価格設定がおかしいような気がするけど上がらないうちに買ってしまおう」とキットのAMP-5511Kを購入しました。
別府さんにユニウェーブ形式のスピーカを作ってもらったのですが、アンプまでは手が回らないし高いと言う事であきらめかけていましたが、これで何とか光明が見えた気がします。
P.S. プロ用に開発されたと言うSATRI-100は凄いアンプです。小さい音でもスケールを感じさせる音がします。これがもっと小さいアンプで出せれば無敵です。バクーンの永井さん、何とぞよろしく。
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