illusion AMP-5511Mk2、
BP AMP-5511Mk2比較試聴記
S/N比が非常にいい
神奈川の根元様より
今回は、山崎さん、永井さんのご好意により、自宅で思う存分アンプの比較試聴の機会を与えていただき感謝しています。オーディオ店ではなかなかわからないアンプの違いがはっきりとわかり、大変参考になりました。
山崎さんからは、AW-23アッテネータ付きのillusion AMP-5511Mk2(以下illusionと呼びます)とPRE-7610を、永井さんからはボリューム付きのAMP-5511Mk2(以下オリジナルと呼びます)をお借りしました。両方が同日に届きましたので、通電を行い、96時間たってから来合いを入れて聞くようにしました。
部屋は15畳半ほどの二重窓の洋室で、B&Wの703を、壁際でなく部屋の中央に間隔を3メートル取り、その間にデスクを起き、机の上のアンプのボリュームコントロールを目の前にして聴いています。
最初にプリアンプPRE-7610を接続して両アンプとも聴いてみましたが、接続した方が解像度が上がるような気がしました。しかし、構成がシンプルな方が好みでしたので、もったいないですが今回はプリをはずして比較しました。たまたまCDプレーヤーが修理中でしたのでHDDに落としたCDを、オーディオカード(M-AUDIO Dio2496)からアナログアウトしたものをソースとしました。ソースは全てクラシックです。
まず、Kord指揮のグレツキの交響曲三番。両アンプとも10時くらいまでのS/N比が非常にいいと感じました。illusionの方が若干透明感があるように思えます。今回SATRIアンプをお借りしたのは、私が比較的、中、小音量で聞くことが多く、ボリューム、アッテネータに神経が行き届き、S/Nがいいと評判のSATRIアンプに関心を持ったためです。
次に、ガーディナー指揮のベルリオーズの荘厳ミサ曲。illusionは。オーケストラと合唱の総奏でクリアで濁らない音が印象的でした。合唱各パートの定位も明快です。オリジナルの方は定位はそれほど変わりませんが、音がエネルギッシュで、ときに中音域にざらつきを感じるような気がしました。
さらに、マズアの田園。illusionの透明感とオリジナルのエネルギッシュな感じはこの曲でも同様の印象を受けました。ただ、オーケストラのスケール感は両アンプよりもっとハイパワーなアンプの方が出るように思えました。
今度は、クレメルのバッハ無伴奏バイオリンのためのソナタ。クレメルのバイオリンは今までのアンプ(Pioneer A-09)では音がきつく聞こえて聞くのに往生していたCDです。一聴して、両方のアンプの素晴らしさがわかりました。ソロのバイオリンの定位が目にみえるようですし、なんと言っても今まで耳に痛かったクレメルの音が激しさと柔らかさを併せ持った音になり、段違いの表現力と感じられます。
さらに、クレメルのアファナシエフのシューベルトの幻想曲。バイオリンの音が両アンプとも本当にナチュラルです。両アンプとも室内楽、特に弦にはいいのかなと思いました。
そこでピアノ。カシオーリのバッハ、スカルラッティ、プロコフィエフなど。今度はややがっかりです。ピアノのフォルティッシモなどではやや丸くまとまりすぎるきらいがあり、もっと迫力がほしいように思えました。illusionは美音で、オリジナルは中音域の厚みがここでも感じられました。
全体として、illusionはヌケが良くて美しく、オリジナルは中音域にアクセントがあると感じられました。私の好みとしてはややillusionかなという感じでした。
音以外では、まず熱ですが、illusionは全く問題なしです。オリジナルの方は相当熱くなりますが、実用には差し支えないように思いました。ただ夏になると気になるかも知れません。トランスの音については、私が自分の目の前にアンプを置くことから、音が鳴っていないときにはやや気になりました。今まで使っていた10年選手のアンプと同じくらいのうなりがします。もっとも、音楽が鳴っているときには全く気になりません。
パネルデザインはオリジナルの方がいいかなと思います。illusionはどうせ変えるならもっとモダンでシャープな感じに変えた方がいいかなと思いましたが、皆さん、音にほれて買われる方ばかりなのでしょうから関係ないかも知れません。
以上、拙い試聴記で申し訳ありませんが、お送りさせていただきます。
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