先日、分けていただいたテフロン線の、スピーカー(YAMAHA NS-1000M)への組み換えが年末に完了しましたので報告します。
組み替え作業はΦ1.8mm故に、最初はハンダ付けした端子部分が破損するのでは、と恐かったですが、曲げ方向で余裕代を持たせることでクリアしました。同時に、DALE NS-5も同時にアッテネ-タ-の替わりに組み込みました(スコ-カー → 0dB/ツイータ → -1.5dB狙い)。
結果は、エ-ジングを待つまでもなく、組み替えてすぐ明らかに音の鮮度が良くなっているのが実感できました。
音のバランスで、最初は高音が聞こえ難く、ツイ-タのアッテネート量設定を間違えたかと思いましたが、エージングが進むにつれ高音が出てきて、現在は好みのバランスになり大成功です。エ-ジングは抵抗の影響が大きい様です。ドラムのアタック音、ピアノの響き、音の分離、定位の良さ等、感覚上2ランク位上のスピーカーに変えた様な効果を実感できました。
20年以上前の配線からの組み替えなので良くなって当然でしょうが、それ以上の変化でありテフロン単線のすばらしさに感謝しています。アドバイスを頂き有り難うございました。
以下に、キット組み立ててからの変更内容を簡単にまとめてみました。
1.'00/4
変更内容 |
AMP-5512K組立
1.ボリューム:DALE NS-2B ATT
2.
内部電源配線/SP配線:Φ1.8mmテフロン線 |
感 想 |
今までのアンプとは次元の違う音の良さで、アンプでこんなに音が変わるのかと驚き、かつ実感できました。 |
2.'00/8
変更内容
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スピーカー配線 Φ1.8mmテフロン線ツイストに組み替え
旧は、電源用多芯線をツイストペア*2
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感 想
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組み替えて直ぐに高音の抜けの良さ、音場の改善に感激しました。 |
3.'00/10
変更内容
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(A) 出力段エミッタ抵抗 DALEプレート抵抗化
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感 想
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比較すると以前のセメント抵抗は音が曇っていたと感じました。
従来で不満はないですが、一度換えると戻れないです。 |
変更内容
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(B).電圧入力配線直結化+基板へのコネクタ入出力部配線の
Φ1.8mmテフロン配線化
(C).V/I変換抵抗 DALE NS-2B 510Ωへ変更
(D).OSコンデンサー皮剥き
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感 想
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この時点が、ヴォーカルはシステムとしてバランスが一番良く感覚的なリアリティーの良さは抜群でした。ゲインは高過ぎて小音量時のコントロールはやや難有りでした。コネクターの入手 及び、テフロン線、ハンダまで頂き有り難うございました。特にΦ1.0のテフロン線を頂いたのは、作業して始めてありがたさがわかりました。 |
変更内容
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(E).SATRI入力は入力切り換え用ロ-タリ-SWを経由して接続
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感 想
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電圧入力1は常時接続で、SATRI入力に電圧入力2(電流入力1を共通)、
電圧入力3(電流入力2を共通)をセレクターを介して接続する構成。
電圧入力1選択時は、セレクタ〜SATRI入力部配線の静電容量分の悪影響だけですむ為、便利さと音質の両立が可能だと思います。 |
欠 点 |
電圧入力2,3は、疑似SATRI電送となる為接続相手によっては、SATRI-ICの破損が発生する。メーカー製の製品では出力ショート保護用で抵抗が入っている様で、当方ではチューナー/プリアンプ/TV共に問題ない事を確認済みの上で、快適に使用中です)。
電圧入力2,3に過電圧がかかった場合、バッファーの出力TRがブレークダウンする恐れあり。(過電圧が加わらないよう、接続機器を限定しています)。
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変更内容
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(F).ゲイン調整用可変抵抗廃止
(G).SATRI入力部33Ω抵抗廃止 |
感 想
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FとGは効果が高くお勧めできる内容だと思います。
変更は、(H)の抵抗変更と同時に実施しました。最初は伸びのない曇った音で失敗したと思いましたが、抵抗のエージングが進むと変更前より、より素直で且つクリアで感覚的に 自然になったと思います(この前に510Ωを付けた時は エージング前後の差をあまり感じませんでしたから、可変抵抗の部分で劣化していて差が分りにくいのではないかと推定しています)。
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欠 点 |
R/Lのバランス調整が出来ない。
抵抗の偏差が1%以下の為無視しました。
BTL時に調整が出来ない。
BTL化の予定がない為無視しました。
33ΩがSATRI入力保護を兼ねていればNS-2Bに置きかえが必要。
接続する機器を限定する事で安全を確保し、廃止しました。
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変更内容
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(H).V/I変換抵抗 DALE NS-2B 1KΩへ変更 |
感 想
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ゲインは許容範囲内になりました。
(当方の環境では、最初に付いていた1.5kΩ辺りがベストです。) |
変更内容
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(I) オフセット調整用可変抵抗廃止 |
感 想
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フルボリューム付近での電源ハムノイズ低減に効果あり。
変更前は、ボリューム6(ゲインMAXを10に、MINを-1に合わせています)付近からRチャンネル側でハムノイズが発生していました(Lチャンネルで9位から)。昼間でも静かな時に、大音量(近所から苦情が来るレベルでの話ですが)で聴いていると、リスニングポジションでも聞こえるレベルです。
変更後は、電源ハムノイズは、ボリューム10でも聞こえません(ウーハー)。ツイータ/スコーカーも深夜静かな時でも、ボリューム10で20cm、ボリューム8.5だとスピーカーの金網に耳を当てて聞いても、ノイズは聞こえなくなりました。
小音量時のみならず、フルボリュ-ムでも非常に静かなアンプですね。設計の素晴らしさに感謝しています。しかも、安定化電源なしでこれですから凄いの一言です。
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欠 点 |
BP社の永井さんに直接問い合わせた所、オフセット調整を廃止すると、SATRI-ICのオフセット電流バラツキによっては、DCサーボが外れる恐れがあるとのことで、その場合はスピーカーの破損が発生する。なので無条件にはお勧めできません(当方のアンプでは、ボリュームの下から4ステップ目で既にDCサーボは収束しており問題ありません。Rチャンネルは7ステップ目までは数秒かかります)。
DC電圧
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Rチャネル
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Lチャネル
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1ステップ目
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-61.1mV
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-40.1mV
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2ステップ目
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-50.3mV
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-29.0mV
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3ステップ目
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-25.8mV
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-6.0mV
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4ステップ目
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0.3mV
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-3.5mV
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5ステップ目以降
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0.3mV
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-3.5mV
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SATRI-ICの経年劣化を考え、1年に1回DC電圧の測定をする事で スピーカーの保護を考えています。
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4.'00/12
変更内容
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インコネケーブルΦ1.8mmテフロン線ツイストへ変更 |
感 想
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今まで使用していたS&T社製 PRISM 22(0.6m)両端のRCAプラグを用いて、Φ1.8mmテフロン単線をツイストして作成しました。
音の抜け 定位感の向上が感じられ、スピーカー内部配線への適用に、期待を抱かせる変わりようでした。この変化で、スピーカーをバラす決心がつきました。
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5.今後の目標
以上の3項目をトライ出来ればと考えています。良い結果が出れば連絡させて頂きます。お世話になり、どうも有難うございました。
--------* 追記 *--------
電源コード変更
テフロン線を使い切った為、通常の銅線を使用しました。
ついでに、電源コ-ドもΦ2mmの単線をツイストで作成したところ、無メッキの端子にはんだ付けを行ったため表面が酸化してこもった音になりました。表面を紙やすりで磨いて音が復帰しました。中高音はコンデンサーの音が支配的と思っていただけに意外な感じがしました。
電源コ-ドを換えてから極性の違いに敏感になったようです、低音側の量感が明らかに違います。
次の機会には、テフロン単線と良質のコンセントで作成し直そうと思っています。無めっきならねじ止め、半田が必要ならばスズめっきか、ロジウムめっきにするつもりです。
また、先日、庄司 紗矢香さんのコンサートを聞きに行きました。すばらしい演奏でした。この後に、家のシステムでヴァイオリンのCDを聞いても自分の耳では十分音楽を楽しめるレベルになっている事が実感できました。
シンバル等の立上がりの早い低音部分とか、音場の広さ、ボリュームを上げた時の音源の近過ぎ感等の改善は、スピーカー及びL/O(現状のリスニングポイントはSPから2m位)の大幅な変更が必要と思われる為、しばらく現状にてCD鑑賞を楽しむつもりです。
以上、去年の4月にアンプのキットを購入してから、1年弱の間でオ-ディオシステムのレベルが格段に良くなったと感じています。質が高い製品を有難うございました。
以下に、変更の履歴を記載しますので、宜しければ一読願います。内容は、自己責任で実施しているもので有り、改造等の承認を得ようとするものではありません。参考例として読んで頂ければ幸いです。
今後も、より良い製品の企画を期待しています。
それでは、失礼致します。