お客様の試聴記

試聴記投稿要領

SATRI V9.1
 群馬の秋山様

●出川式電源

 東京の日高様
 愛媛の秋山様
 栃木のT.K様(2)
 栃木のT.K様(1)
 Tochey様
 東京の前田様
 埼玉のK.T様
 東京のT.K様

AMP-9010
 D.O様

AT-301

 兵庫の中村様
 仙台のkamisen3様

illusion
 神奈川のS.M様
 茨城のM様
 匿名
 群馬のTom様

illusion EQA-5620
 東京の飯田様
 東京のM・N様

 杉並のS・M様

illusion
AMP-5511Mk2
 大阪のS.Y様
 神奈川の根元様
 静岡の渡辺様

 東京のMCKES様

ESC-1001
 T.T様
 和歌山の松下様


HDA-5210

 滋賀のjoshua様
 横浜の秦様
 茨城のY.O様

 愛媛のS.N様

PRE-7610Mk2
 静岡の高橋様
 moonbear様


AMP-5510Mk2
 フェイ様
 愛知の阿部様
 東京の渡辺様

AMP-5513
 tanbajin様
 大阪の正田様

AMP-5514
 静岡の高橋様
 長野のHIGA様
 神奈川の野口様

AMP-5512
 moonbear様
 ヒロ様
 G44様
 宮城の野
 大阪のE.M
 愛知のT.H
 香川の高木様
 静岡の井上様
 埼玉のK.K様
 岡山の岡田様
 東村山のT.K様
 埼玉のふなっこ様
 愛媛の秋山様
 大阪のD.O様
 大阪の廣田様
 新潟のK.K様
 沖縄の野津様
 埼玉のTochy様
 横浜の岩崎様
 茨城のフェイ様
 岐阜の野村様
 金沢のあうでお様
 京都の山下様
 東京の保岡様
 神奈川の岩橋様

DAC-2000
 群馬の秋山様
 鹿児島の尾上様
 沖縄の野津様
 兵庫の中村様(2)
 兵庫の中村様(1)
 横浜のF・T様

アッテネータ
 沖縄の安次富様
 大阪のK.A様
 沖縄の安次富様
 numaken様
 杉並のS・M様
 Tochey様


SATRI-IC-SP
 WoodWill様


SATRI-IC
 福岡の田中様

テフロンケーブル
 栃木の阿部様
 東京のXinn様
 東京の田中様
 東京のXinn様
 大阪の加藤様
 岡山の新谷様

SBFヒューズ
 名古屋のK.M様
 東京の高橋様
 古郡 隆行様
 Tochey様
 T-MITSU様

●銅足
 杉並のS・M様

SPC-9010
 Tochey様
 埼玉の田中様


金メッキテフロン単線
 熊本の藤本様
 Tochey様


販売終了商品

DSIX1.0
 埼玉のCOOBA様
 Tochey様


PRE-7610
 名古屋の三浦様
 鹿児島のK.I様
 群馬のTom様
 大阪のK.A様
 宮崎の武田様
 京都の山本様
 埼玉の山下様
 愛知のA様
 BassMan
 滋賀の太神様
 埼玉の傳楽庵様
 長野の阿部様
 秋田のAK様
 山梨の藤巻様
 青森のウトウ様
 宮崎の武田様
 兵庫のMINNピン様
 沖縄の當間様
 滋賀のごん太様
 栃木のOK様
 横浜のYO様
 愛知のM.I様
 大阪のK.M様
 千葉の杉山様
 山梨のT様
 熊本の福田様V5
 東京のshuk様(2)
 東京のshuk様(1)

SCA-7511
 東京のA.Y様
 岡山のigurin様
 Y.T様
 T.F様
 東京のよしじゅん様
 大阪のrhenin様
 新潟のIwasi様
 北海道のT.M様
 大阪のK.A様
 東京のS様
 兵庫のH.Y様
 新潟のK.K様
 千葉のY.S様
 東京のあきさん
 鎌倉の平野様

AMP-5511
 北海道の兼田様
 東京の林様
 和歌山の猪飼様
 東京の白男川様
 東京のH_K様(4)
 東京のH_K様(3)
 東京のH_K様(2)
 東京のH_K様(1)
 愛媛の秋山様
 東京の小川様
 北海道のY・T様
 東京のK・M様
 神奈川のY様
 神戸の森中様
 神奈川の梅沢様
 東京の保岡様
 千葉の石田様
 東京の飯田様
SCA-7510
 北海道の松下様
 北海道のday様
 埼玉の田中様
 東京のblueblue様(2)
 東京のblueblue様(1)
 東京の川村様(2)
 東京の川村様(1)
EQA-5610
 富山のH・K様
 東京のS・M様
 新潟の永井様
 神奈川の藤井様
PCAアブソーバ

 横浜の菅野様

 
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AMP-5512K試聴記
金沢のあうでお様より


 知るひとぞ知るSatriアンプです、とエラそうなことをいっていますが私も買う1ヶ月前までぜんぜん知りませんでした。SPのキットを依頼したイーディオさんのリンクからたまたま試聴屋さんのHPを見て知りました。そういえばMJ誌の表紙になってたような気がする・・・んで、とにかく欲しくなった。なんだか出会ったことの無い音が聴けそうな気がしたのだ。ちょうどアクセス数40,000記念販売で抵抗アッテネータが付いての大幅値引き価格であったこともあり、物欲大魔人と化した私は気が付いたら発注メールを出していました。

 値引き期間中でもあり注文殺到ということでガレージメーカの生産能力を超えてしまったらしく、2週間程待ってようやく送られて来ました。荷物の着日等、試聴屋さんのきめこまやかな心遣いはけっこう感動的なものがありました。ともあれ荷をほどくと小綺麗にまとめられた包装がぽろぽろと出てきましたが、半完成品ということもあって部品数はそんなに多くありません。主要な部品は、電源トランス(大型のRコア)、整流ユニット基盤、アンプユニット基盤+ヒートシンク、あとは配線材、ツマミ、スイッチ等です。なんだかすぐに出来そーな気がする…。

 このアンプの最大の特徴は電流増幅だそうーだ。学問的電子素人の私にはそれがどう画期的なのかの理解を超えていますが、詳しくはバクーンプロダクツのHPを見て下さい(なんやそりゃ)。そのなんだかすごいこのアンプの心臓部がこのSATRI回路をハイブリッド化したSatri−ICです。このICは単売もされていてDACのI/V変換部やイコライザーなどの自作にも活用できるとのこと。

 製作はカラープリントの超親切なマニュアル(しかも発売間もないのにもう第3版になっている)のおかげでなんの迷いも無くスイスイと進む。実体配線図の意味するものが分かる程度の方であればこのキット、完動は間違いないのではないかと思う。が、マニュアルには初心者にはリスクが大きいので完成品をどーぞ、との主旨の一文が謙虚に書いてあったりします。完成品との価格差が大きいだけあってご自分では無理であっても、友人に電子工作好きの人がいれば迷わずキットにして菓子箱のひとつも持っていって作ってもらいましょう。

 スイスイ製作が進んだ理由にはセレクターを通さなかったことがあります。入力系統がむちゃ多い私、アキュフェイズのE406をセレクター代わりにしているからだ。異様に入力系統が多いこのアンプはセレクターとして手放せません(笑)。セレクターはつまみをつけるためだけに付け、電圧出力とSatri入力をジャンパー繋ぎしました(写真左参照、この写真は試聴屋さんからお借りしました)。このために2Pコネクターを部品屋さんで買ってきてジャンパー線を自作。セレクターを通さない人は音質向上にもなるので是非お勧めです。

 あとライン入力とSP端子への出力配線をテフロン絶縁銀メッキ単線で行う。私の使っているのは0.5mm径で捻れば折り切れそうなひ弱なものだが、その純度の高い音は一度使ったら止められませぬ、という代物。念のため太目のガラス繊維チューブに通してあります。他の配線もやろうと思ったが2Pコネクターの作成がめんどくさくって後の楽しみに…。各基盤への配線はすべてネジ止めかコネクターで、半田付けは一箇所も無いので後々の配線材の交換が容易、もちろん誤配線のやりなおしも簡単(笑)。


 基本配線を終えた後、今回おまけ?でついてきた抵抗アッテネータの組立。実はこれって憧れだったんですよねのね〜。このアッテネータは試聴屋さんでキットとして単売されているもので、土台はセイデン製、そして抵抗はデールが使われています。金属皮膜と超高価な巻線抵抗バージョンがあるが、今回付いてきたのはもちろん金属皮膜のほう。抵抗がLRあわせてなんと46本もある。このキット、すごいのは台紙に抵抗を両面テープで固定し、抵抗値がそれぞれ台紙にすべて記載されていることだ。ひとつひとつ計るんかとおもってたのでこれは便利!。ただしつける前にちゃんと測定はしましたけど。それに親切にも無鉛銀半田も必要分ついている。これ以上のアッテネータのキット品はあるまい。製作は大変そうだと思うでしょ。マニュアルにもあるように接続端子をYの字状にカットすると取付け・半田作業も意外と容易。1時間半くらいで完成しました。

 とりあえず基本的な配線は全て終了したのでいよいよ音出し。その前に実体配線図とにらめっこして誤配線がないかをよ〜くチェック。どんなベテランさんでもやっている基本事項なので音を出してチェックしようというのは禁物。煙が出て素子を壊してからでは後の祭りですよん。廃品回収で拾ってきた小型SPに繋いでスイッチを「ぱちっ」、……「♪♪〜」。はあぁ、いつもながらこの瞬間は心臓に悪し。




 このあとスイッチの発光ダイオードを装着。あらかじめ本体に開いている穴にはダボダボとなってしまう極小径ダイオードであったため、不器用な私が接着剤を不用意に流し込むと前面に溢れ出し、美麗な化粧板も台無しになる恐れが…。結局ホットメルトで裏面から糊付け固定しました。発光色は上品な黄色でグーです。

 最後は筐体のネジ止め。筐体のネジ止め個所がやたら多いのが特徴。しっかりしたキットであることがこんなところにも表れますね。ただ改造のためにバラすのがちょっと面倒くさそう(笑)。とにかくキット品とはいえど筐体の仕上げは一流品の出来。ツマミはベークライト製で使いこなす程良い色が出るんだそうです。ともあれ無事完成です。音出しまでの実作業時間はATTを含めて延べ約8時間、フィニッシュ作業で1時間ちょいでした。キットの楽しみとしてはいささか物足りませんが、完動第一と考えれば納得です。

 メーカーの指定では最低96時間のエージングが必要です。整流基盤やアンプユニットのすべてのコンデンサにサンヨーのOSコンが使われているからです。エージングといってもただ電源を付けておくのはつまんないのでスターリングにつないで音の変わりようを毎日聴いておりました。最初からその無垢で精粋な音にはびっくりさせるものがありましたが、やや高域が固めで低域の量感が不足しています。それが日々固さが取れ、見通しもさらに良くなってきます。低域の量感も徐々に上がってきて立体的になってきました。200時間目を超えると最初ほど劇的ではないにせよ、未だ音が少しづつ変化していっており、なめらかさも増しています。96時間は最低音質保証時間なのでしょう。なおもエージングが進んでいくのが楽しみです。

 さて肝心の音ですが・・・

 お気に入りのCDをかけボリュームを上げたとん、おおっ、なんと部屋中のいたるところから共振音が鳴り始めたじゃありませんか。ガラス戸棚、納戸の扉、壁にかけたアクセサリー等々、ありとあらゆるところから一斉にビリビリと!。すわっ、こりはエクシストかあ〜。今まで同じ曲を同じボリューム感でかけているのに、これは何故?

 耐震処置を施しながら考えるゆえに、これは音のエネルギーが別の種類の波動としてなり始めたからじゃないかと。とりわけ低音はこれまでと異質な音、というか音圧の伝わり方です。これまでがスピーカーを全身ぶるぶる震わせていた体感的低音ではなくて、スピーカから少し離れたところから低音が湧き出てくるような波動、音のエネルギーが空気を直接波動させているかのようなのです。ナンパな部屋にアンプがせせら笑ったんですね・・・。

 完成後ほどなくしてパソコン用のような灰色電源コードがちょっと気になり、オヤイデのL/i50ケーブル(俗称コタツ線)にフルテックの3Pメスプラグを付けた自作電源ケーブルに変えてみました。これがスゴイ音の変わりよう!。やや気になった低域の張出し不足が一気に解消、中高域はより純度を増したかのようです。電源コードのグレードアップは是非お勧めしたいところです。

<9月10日追記>
 内部配線の一部にテフロン絶縁銀メッキ単線0.5mm径を使用していましたが、0.5mm径線はその無垢で美しい高域は魅力的ですが低域がやや薄くなる傾向があります。試聴屋さんのアドバイスもあり特別に譲っていただいた同じ単線の1.4mm径に変更してみました。変更箇所はライン入力とSP端子への出力配線、電圧出力とSatri入力間ジャンパー、アッテネータへの配線です。

 変更後、一聴して中低域が厚くなりプレゼンスの幅が一層広がったのが分かりました。高域のみを評価すれば0.5mm径も捨て難いものがありますが、やはりトータルのパフォーマンスでは1.4mm径のほうがベターですね。ともあれ細部の変更でもその結果が良しも悪しきもストレートに出てしまうこのアンプの純度の高さに、今更ながら感嘆しております。



 絶対評価ができるほど高級な耳をもってないので、既存のアンプとの比較をします。SatriアンプはここではCDプレーヤーに直結して聴いています。

 ちなみにE406はアキュフェイズのプリメイン、KT88は自作球アンプで3結PP・20W×2。


○バッハ/無伴奏チェロ組曲(ロストロポーヴィッチ)
  • E406:バランスよく無難な再生。高音はやや冷たいが中域は充実。
  • KT88:三角形型の音域バランス、胴鳴りがエグく再生が音楽的。チェロの大きさが2倍になって聴こえる。
  • Satri:全ての音域にわたりリアルな再生。あくまでも等倍再生。松脂が飛ぶのが聴こえるっていう使い古された評論常套句を思い出した。やや逆三角形の音域バランスだが小音量にしても音が痩せない。定位感は素晴らしいのひとこと。

○ナージャ/アルバム「ユーモレスク」からユーモレスク
  • E406:艶っぽさはよく出ており、エネルギーバランスが均一。
  • KT88:やはりバイオリンの大きさが倍になって聴こえるが、官能的で情熱的な音。
  • Satri:リアルだが冷たくはない。CDの音がストレートに鳴っているってかんじ。アンプによる色づけが極めて少ないことを感じさせるソースになった。

○マーラー/交響曲第5番第一楽章(バーンスタイン新盤のほう)
  • E406:パワー感溢れる迫力再生。ハイパワーアンプの底力をみせてくれる。
  • KT88:音の塊がドカンドカンSPから零れ落ちる。細部はやや潰れぎみ。マーラーの不気味さを最も表現。
  • Satri:全ての音が明快に聴き分けられる。どの個所のフォルテシモも音が潰れることは無い。ホールでは絶対聴こえてこないレントゲン写真のような音だが、CDに実際そういう音が入っているんだろう。CDの録音の良し悪しがあからさまになるアンプだ。ここまでソースを正確に伝えるのはひょっとして罪かもしれない。

○バッハ/ミサ曲ロ短調(リヒター)冒頭部分アナログレコード *AT33E/E406の内臓イコライザー使用
  • E406:冒頭の合唱を力強く再生。安定感100%
  • KT88:音がやや団子状だが、宗教的雰囲気度はこれが一番。
  • Satri:合唱の声部が明快に聴き分けられ、すがすがしいバッハ。アナログを良い意味で意識させない音。これはいいぞっ!。イコライザーもSatriにしたらどんな音がでるんだろう。欲しくなった…。

○NHKのラジオニュース(FM放送)
  • E406:中低域が張り出したやや大げさなアナウンサー
  • KT88:ドスがきいた迫力あるニュース報道
  • Satri:アナウンサーが突然私の耳元にあらわれる。原稿をまくる音がリアル。モノーラルなのだが妙に立体的。
 いずれにせよそのよどみのないリアルで透明感溢れる音はこれまでのアンプから出る音とはかなり異質なものです。ただソースのクオリティも厳しく出てしまう部分がありますので、真価を発揮させるには周辺機器への対応も含めて創意工夫の楽しみが多くありそうです。ともあれメジャーメーカ品の世界では絶対に味あえない音をもった、超ハイCPアンプだと思います。