AS-1に引き続き、アンデル線ラインケーブルAP-1の試聴記です。
試聴機器はこのようになっています。システムは、前回に比べ、オレンジ色の部分を変更しています。
装 置
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CDトランスポート |
Philips LHH-700 with
Lclock XO |
DAC |
BP DAC-2000K |
パワー |
BP AMP-5512K |
SP |
自作 6N-FE108ES使用 バックロードホーン |
電 源
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CD |
オヤイデ OCB-1 タップより直とり |
DAC |
CSE E-100 |
アンプ |
CSE E-100 |
ケーブル
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CDP -> DAC |
自作 潤工社3D-2V使用デジタルケーブル |
DAC -> AMP |
自作 オルトフォン製アンテナケーブル
(型番忘れちゃいました)使用 ラインケーブル
今回は、ここをアンデル線ケーブルAP-1に置き換えて試聴を行いました。 |
AMP -> SP |
アンデル線ケーブル AS-1 |
電源ケーブル
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CDP |
ベルデン製 スピーカーケーブル(スタークァッド)
(型番忘れた・・・) |
その他 |
LINN ブルーライン |
DAC->AMPは、SATRI-LINKにて接続しています。
部屋は、鉄筋コンクリートの一室で4畳半の畳部屋、
隣室との壁やドアが弱いので、
夜中になるまで、なかなか静かになりません(~_~;
おそらく、SATRIユーザーの中で一番悪い環境なのでは?(^^;;
また、アースが取れないので、
とりあえず、Super Earth Linkでごまかしています。
また、今回の試聴に用いたソースは、
1)AQUASKY:AFTERSHOCK(ドラムンベース)
2)DREAM THEATER:IMAGES AND WORDS
(プログレ/ハードロック)
です。
●試聴記(その1)
まず、AP-1に対して、MDMS-CDを用いて8時間ほどエージングを行いました。
◎自作オルトフォン製ラインケーブルの音
リファレンスとして、オルトフォン製ラインケーブルを使用して試聴します。
では、AQUASKY:AFTERSHOCKをかけてみます・・・。
・・・いつもの音です。
低域は、やや締まった感じ。
高域は、わずかに粗い感じですが、聴きなれた音です。
定位はしっかりと出ており、
各楽器(というのかな?:ドラムンベースなので)
だけでなく、残響までよく定位していると思います。
◎AP-1の音
ここで、AP-1に切り替えます。
・・・むむ。
ちょっとこなれてない感じがします。
高域は、やや荒れた感じで、
中域-低域が引っ込んでしまい、
ややまとまりに欠ける気がします。
また、低域は良く締まっているのですが、
ちょっと量感がなく、物足りない感じです。
音の立上がり・立下りは、双方ともとても良く、
躍動感のある音です。
定位は、ちょっとうまくない様で、
音像と残響がやや混じり合った感じがします。
・・・あまり良い感じではないのですが、
これは、AS-1の導入したばかりときと
よく似ており、おそらくエージングが進めば
解消するはず、と期待しています。
◎AP-1 1時間後の音
で、そのまま1時間ほど聴き続けます。
・・・だんだん、各楽器の音の分離が良くなって来ました。
高域のきつさが薄らいできて、
細かい音が聴き取れるようになってきました。
また、音像と残響がくっきりと出て、定位も出てきたようです。
低域の量感も、締まりはそのままで、量感が出てきました。
なかなか良くなってきました。
が、まだ高域が粗く、残響の広がっていく感じもぎこちないようで、
まだまだエージングが必要なようです。
では、ここでソースを
DREAM THEATER:IMAGES AND WORDS
に切り替えます。
・・・!
おおっ!これはいいですね。
高域がすっきりと伸びきっており、
ギターの音色がとても美しいです。
・・・という事は、どうやら先ほどの高域の粗さは、
ソース自身の音のようです。
定位も特に問題はないようです。
ただ、残響はまだぎこちないようで、
直接音に対して、ちょっと少なめかな?と思います。
また、ギターとドラムが前に来て、ベース、ボーカルの順に
後ろに引っ込んだ感じです。
これもAS-1のときと同じようです。
おそらく、エージングで解消するものと思います。
◎元に戻したときの感想
ここで、ケーブルをオルトフォン製ラインケーブルに戻してみます。
・・・。
一聴して、AP-1よりも落ちついた音のように感じます。
中域が前に来る感じで、中低域がゆったりと余裕のある感じです。
ボーカルがスピーカーよりもやや前にきて、
ドラムとベースがほぼ同じ位置に、ギターがそのすぐ後ろにきます。
高域は、AP-1と比較すると伸びきっておらず、シャープさがないようで、
この辺は、聴きやすいように癖がつけてあるのかな?と思います。
◎まとめ
では、現時点での音をまとめてみると、
AP-1は、DACから来る情報をそのままアンプに
伝えているような感じで、とてもストレートな音だと思うのですが、
ちょっとこなれていないようで、
ややまとまりにかける様に思います。
オルトフォン製ラインケーブルは、
高域を少し丸くしたような(?)感じがあるが、
中域〜中低域の安定感が出ているように思います。
音場は、オルトフォン製ラインケーブルの方が
自然に展開してきているように思います。
AP-1は、まだまだエージングが済んでいないので、
ここから、どのように変化してくるのか、
とても楽しみです。
●試聴記(その2)
前回の試聴から、約30時間ほどエージングを行いました。
出てくる音が、かなりこなれてきたようなので、
試聴記をまとめてみようと思います。
◎AP-1 30時間後
まず、AP-1を使用して、AQUASKY:AFTERSHOCKをかけてみます。
うむむ。やはり、最初とはかなり音が変わってきています。
高域は、荒さがだいぶ取れてきたようで、
自然かつすっきりと伸びています。
ドラム(ハイハット?)の金属っぽい感じがきちんと出てきています。
低域は、ガッチリと締まった感じで、かつ量感が出てきたようです。
立上がり、立下りも極めて速く、強烈な躍動感が感じられます。
また、音にくせがほとんどないようです。
ストレートな感じはそのままで、使い始めよりも
解像度がかなり出てきたように思います。
全体的に見て、かなり音がまとまってきており、
自然で存在感のある感じです。
少し残念なのは、高域が少し硬く、ややドラムに強調感があることです。
しかし、これはおそらく私の環境でのf特を反映しているのだと思います。
また、ソースも高域・低域が持ちあがったものなので、
この影響もあると思います。
◎オルトフォン製ラインケーブルに戻して比較
では、ここで自作オルトフォンラインケーブルに切り替えてみます。
ソースは、引き続きAQUASKY:AFTERSHOCKです。
むっ。
一聴して、AP-1よりも柔らかさを感じます。
高域にキラキラした感じがあり、華やかな感じがあります。
音の立上がり・立下りは、AP-1に1歩譲る感じで、
躍動感はAP-1より控えめだと思います。
中域〜中低域は、やや膨らんだ感じがあり、
これが、ゆったりと余裕のある感じに繋がっているのだと思います。
音の滑らかさは、こちらのほうが1歩上のようです。
うーん。全体的に、やや作った感じがありますが、
これはこれで結構いい音だと思います。
◎まとめ 1
では、ここまでの試聴記をまとめてみると、
AP-1の特徴は「躍動感とストレートさ、自然さ」
自作ケーブルは「繊細さと滑らかさ」が
ポイントだと思います。
◎試聴CD変更後、オルトフォンケーブルで試聴
では、ここでソースを
DREAM THEATER:IMAGES AND WORDS
に切り替えます。
ラインケーブルは、引き続き自作ケーブルを使用します。
まず、ギターの音が滑らかで綺麗です。
ドラム(ハイハット?)が「シン、シン」と
静かに、落ちついて出てきます。
立上がり・立下りは、結構速いと思うのですが、
やはり、ゆったりとした感じもあり、
AP-1よりもやや甘口なように思います。
どうも、高域の伸びがやや控えめなようで、
その分、中域〜中高域が出てきて、
この様な音になっているのだと思います。
残響は、パァッと広がっていく感じで、
とても滑らかなように思います。
◎AP-1に変更
では、AP-1に切り替えてみます。
!
一聴して、ギターの音に
厚みが感じられます。
高域がすっきり伸びた感じで、とても美しい音だと思います。
ドラム(ハイハット?)が、
「シン、シン」ではなく、「シィンシィン」と出てきており、
残響の様子がはっきりと感じられます。
低域は、やや安定感が弱い気がするものの、
良く締まっていて、躍動感があります。
ベースの音が、良い意味で荒々しく、とても良い感じです。
残響は「パァッ」ではなく、「サッ!」
と展開し、スピード感があります。
そして、最も大きな違いは、
「臨場感」だと思います。
自作ケーブルは、音に手を加えて「綺麗に聴かせる」感じなのに対し、
AP-1は、「そのまま再現する」感じだと思います。
特に、良く伸びた高域が各楽器の音色と残響に乗ってくることで、
この臨場感が出てきているのだと思います。
ただ、やはり高域にはわずかに強調感があるようで、
高域が前に出てくる分、ボーカル・ギターが
聴きにくい感じがあるようです。
◎まとめ 2
では、最後にそれぞれの特徴をまとめて見ます。
☆自作オルトフォンラインケーブル
「やや甘口で滑らかな音。やや作った感じがあるが、
落ちつきがあり、綺麗に聴かせてくれる」
☆AP-1
「躍動感があり、高域がすっきりと伸びた音。
自然で、かつ臨場感まで再現する」
こんな感じかと思います。
どちらも、なかなかの音だと思うのですが、
私が良く聴くテクノやロックには、
AP-1の方が良く合っているのかな、と思います。
オーディオは、ケーブル一つからスピーカーのセッティングまで、
どこを変えても音が変化し、自分の思う通りの音を出すのは
なかなか困難です。
が、見事にツボに入ったときの嬉しさも、またひとしお。
これがあるから、オーディオはやめられません(^^
以上、-試聴記終わり
■◆● LClock
XOの印象 ●◆■
LHH-700が、Lclock-XOを搭載して戻ってきた日、
音だしして一番最初に感じたのは、
「何だ?普通じゃん。」
でした。(おいおい)
・・・ええと、音色やバランスは
ほとんど変わったように思いませんでした。
しいていえば、高域がきついような気がする程度です。
なので、最初は?と首を傾げてしまいました。
「え〜?まじかー?」
などど、ちとお子様っぽい感じ(おいおい)
で聴いていたのですが・・・・
聴いているうちに、だんだん違いを感じてきました。
最初に気付いたのは、躍動感です。
いや、躍動感というよりは、
「むちゃくちゃタイトな感じ」
と言ったほうが良いかもしれません。
いきなり、ドン!!ときて、パッと引きます。
これが、低域〜高域全てにわたって感じられます。
立下りがあまりにも良すぎて、エコー感が薄らいでしまうような、
そんな印象を持ちました。
私は、こういうタイトな音が大好きなので、
「よっしゃ、よっしゃ」
と心の中で考えながら聴いていました。
で、次の日。
最初のソースは、OMNI TRIO:Skeleton keys です。
昨日とは、また印象が変わりました。
残響が、いつもと違います。
今まで、ふわっと広がってきていたのが、
サアッと展開してきます。
いつもより少しシャープなような、丁寧なような・・・
わずかな違いなのですが、確実に変化している。
そんな印象です。
三日目。
この日は、再び、
AQUASKY:AFTERSHOCKをかけてみました。
昨日とは、さらに違う印象を持ちました。
「ん!これは・・・濃い。とても濃い!」
なんだか良くわからない表現なのですが(笑)
音像の密度が、やたらと高くなっているように感じたのです。
そして、残響がスムーズに展開されます。
定位はきっちり出て、今まで意識していなかった部分が、
実はあいまいだったと言うことに、気付かされました。
立上がり・立下りは相変わらずタイトなのですが、
残響はしっかりと出てきます。
しかし、音のバランスは以前とほとんど変わりません。
この印象を一言で言えば、
「焦点がぴたりと合った音」
という感じです。
先にホームページにアップロードされている、
Lclock XO試聴記の中で、中村様が
「全てが正確です。」
と述べられていますが、
私も「その通りだ」と思います。
また、販売店のHomePageにて、
「目の前からスピーカーが消える」
とありました。
私の場合、そこまで極端には感じなかったのですが、
目を瞑って聴くと、
確かにスピーカーの位置が気にならなくなるような、
そんな感じがしました。
よって、Lclock搭載による音の変化は、
確実にあると思います。
が、その変化は電解コンデンサーを変えたときのような
「ガラリと変わる」感じではない様に思います。
なので、もしかしたら、
あまり違いが感じられない場合もある、
かもしれません。
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