illusion
EQA-5620+PRE-7610を聴く
東京のM.N様より
1.システム構成
今回のillusionのフォノアンプ(EQA-5620)とSATRIプリアンプ(PRE-7610)の試聴は下記のシステム構成で行った。
LPプレーヤ |
ラックス PD-121 |
トーンアーム
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FR-64S |
カートリッジ
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シェルター 501II |
EQアンプ
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ラックス E06 |
CDトランスポート
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ESOTERIC
P0S |
DAC
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DCS
DELIUS |
プリアンプ
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自作金田式ラインアンプ |
チャンネルデバイダー
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自作 12db/oct
モノラルタイプ |
パワーアンプ |
自作金田式、チョークインプット モノラル (4台)
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スピーカー |
Sony SUP-T11+Sony
SUP-L11+Technicsリーフツイータ
ラフトクラフト製 250リットルボックス 横長タイプ
山本音響工芸製 SS300
マルチアンプ方式 |
リスニングルーム : 10畳のオーディオ専用ルームを横長で使用
2.現用機との比較
ラックスE06+自作金田式ラインアンプペアとSATRIアンプペア(EQA-5620+PRE-7610)の比較
両ペアとも30時間以上のエージング後試聴を行った。
- 「愛していると云ってくれ」 中島みゆき
1曲目の歌詞の朗読で始まる「元気ですか」を聴いた。まずはラックス+金田式ペアで耳を慣らす。いつもの通り、録音スタジオの空気感までが感じられ、改めて中島みゆきの歌詞の持つ力に圧倒される。次に、SATRIペアで聴いた。いつもよりゆっくりとボリュームを上げる。曲目は同じく1曲目の「元気ですか」だ。中島みゆきのボーカルはラックス+金田式ペアと同様、クリヤーで良いバランスで鳴ってくれる。部屋の照明を落とし、もう一回「元気ですか」を聴いた。ボリュームを1回目と同じ位置まで上げる。中島みゆきが語り始めた、まるで中島みゆきの心の揺れがわかるように。SATRIペアのポテンシャルの高さを改めて知る。
- 「ベルリオーズ 幻想交響曲」
ピエール・モントゥー指揮 ウイーン・フィルハーモニー管弦楽団
第1楽章「愛と情熱」を聴いた。ラックス+金田式ペアでは主人公の心理描写(アヘンを飲んだ後の混迷の状態とやるせない心)をそつ無く表現してくれる。音場感も素晴らしく、横長のリスニングルーム前方にオーケストラが見える。次に、SATRIペアで聴いた。分解能が素晴らしい。弦楽器の演奏者が一人一人見えるようだ。ホーン型のスピーカーで聴かなければこの良さは分かって貰えないかもしれない。曲はその後、激情的に発展し不気味な低音楽器の唸りが刻まれる。その低音の唸りの音程を明確に聴かしてくれたのはSATRIペアの方だった。
- 「ハンニバル・イン・ベルリン」 マーヴィン・ピーターソン
1曲目の「賛美歌第23番」を聴いた。マーヴィン・ピーターソンのパワフルで、またカミソリの如く切れるトランペットソロで始まる。SATRIペアはこのスピード感溢れる演奏を、ベルリン・ジャズ・フェスティヴァルの熱気と共に届けてくれる。ラックス+金田式ペアも素晴らしいが、SATRIペアはスルーレートが1桁上に聴こえる。スティックがシンバルに当たった瞬間が見える位速い。音場感が素晴らしい。横方向の広がり感はラックス+金田式ペアとSATRIペア同等であった。ただし、SATRIペアには今まで聴いた事の無い縦方向へ広がり感にオーディオな快感を感じた。
3.まとめ
我がオーディオルームにおいて、SATRIアンプペア(EQA-5620+PRE-7610)は素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。今回の試聴で、私の求めているスピード感、小音量での分解能、立体的な音場感をSATRIアンプ達は十分に表現してくれた。
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