SCA-7511試聴記
AP-23/AS-23アッテネータ比較
まるでアンプを通していないかのような自然さ
大阪のrhenin様より
CDP |
MARANTZ
SA8400 |
アンプ |
BP
SCA-7511+AP23 |
ヘッドホン |
QUALIA
010 |
カスタム内容
1.AS-23
大型PCN巻線アッテネータ搭載 |
2.入力抵抗をPCN巻線に交換 |
3.ヘッドホン用抵抗をPCN巻線に交換 |
4.電源ダイオードを30PHA20に交換 |
半年ほど前からSATRIアンプに興味を持ちはじめ、このたび試聴を依頼しました。ヘッドホンと小さいスピーカーで音楽を聴きながら仕事をすることが多く、アコースティックな音が好みでもあり、SCA-7511はそのような条件にうまく適合してくれるのではないかと思ったのです。
結果として、SCA-7511+AP23の組み合わせにて購入しました。とても満足しています。試聴屋さんのホームページを見るとSATRIアンプにおける抵抗の重要性が書かれていていました。本当かどうか自分でも確認してみたく、複数の専用アッテネーターも拝借したい旨を申し添えました。この願いはかなえられ、10日間以上もの間、いろいろ聴き比べることができました。
「SCA-7511+AP23の組み合わせ」と先に書きましたが、これはアッテネーターが単なる部品ではなく、確かにSATRIアンプの重要なパートナーの位置を占めていることがよくわかったからです。当方が数あるアッテネーターの中からAP-23を選んだいきさつを書いておくのが、購入を検討されている方へのよい材料になるかもしれません。何といっても当方の場合、アンプ本体と同等の値段をこのアッテネーターに払ってしまったわけですから!
AP-23に決定するまでには紆余曲折がありました。実は最初、AW-23とAP-23とをとり違えていたのです(理由は細かくなるので割愛します)。とり違えたまま、「AW-23」がお借りしたアッテネーターの中では中位機種にもかかわらず別格だと判断しました。しかし実はそれがAP-23であったことが分かったのです。しかしこの勘違いは、自分の耳で聴いて出した結果に自信を持つことにもなってしまって、AP-23の購入に至ったわけです。
実際のところ当方の環境では、AP-23との組み合わせにおいて特にSATRIアンプの優位性が感じられました(最上位機種AS-23はこのときまだ未聴でした)。特にライブ録音の音源を聴くとよくわかりましたが、その場の雰囲気がとてもよく再現されていて驚きました。うまく説明できませんが、ライブに身を置いているとたまに体験する会場全体の「空気の動き」が、上記機種の組み合わせだとよくわかるのです。
こうなってくると最上位機種のAS-23も聴いてみたくなるのは人情というもの。試聴屋さんにさらにお願いして結局すべてを聴けたことになります。その結果AS-23ではなくAP-23を選びました。エージングの違いなどもあるかもしれませんが、特にこの2つについてコメントしておきます。(試聴盤はJoni
Mitcellのライブ盤"Shadows and Light"(CD)と五嶋みどり他の『モーツァルト協奏交響曲』(SACD)です。いずれも優秀な録音だと思います。特に前者は演奏者の顔ぶれ、楽器の多彩さ、楽曲の多様性、会場の雰囲気など、音の比較には好適だと思います。)
AP-23:
ライブの雰囲気が抵抗なく伝わってきます。会場のざわめきが空間を構成するように聞こえてきます。当方所有のこれまでのヘッドホンアンプでは再現しにくい部分でした。その中で各楽器、ヴォーカルの息遣いなども解像度よく粒立っています。まるでアンプを通していないかのような自然さがあります。音場の広さも大きすぎず小さすぎず、当方にとってはベストバランスでした。
AS-23:
性格は同じです。中低音がよりダイナミックになります。ただエージング不足だったのか、中低音のダイナミズムで高音の領域がかき消される感じがしました。特に演奏者の挙動がイメージしにくい感じがありました。しかし何れにせよ素晴らしい音であることにかわりはありません。
両者の差はごくわずかだと思います。おそらくアンプ本体との組み合わせ方も多分に関係すると思いました。自分で実際に聴くことの大切さを再認識しました。
最後に安心して購入できましたこと、試聴屋さんにお礼申し上げます。
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