SCA-7510+DALEアッテネータと
テフロンケーブル試聴記
北海道の松下様より
CDプレーヤー |
CEC TL-5100Z |
アンプ |
BP
SCA-7510+DALE巻線アッテネータ |
スピーカー |
BOSE
121V |
ヘッドホン |
STAX SR Λ Signature + SRD-7/mk2 |
RCAケーブル |
WP-1,AP-1,市販の450円のケーブル^^; |
導入
始めに私はオーディオ歴は相当短いです。電子回路も電磁気もほとんどわかりませんし、アースなどのオーディオを本格的に考えている人からみると「当然なこと」すらわかっていませんでした。「試聴屋」の存在は数年前から知っていましたが、私にとって「高嶺の花」と思い、いつかは聴いてみたいと思っていましたが、半ば諦めてました。今回、あまり音量を出せない環境に引越しするためこれまでのシステムを全ていれかえることにして、ヘッドフォン用のシステムを作ろうと考えたのが購入のきっかけです。
試聴屋様にアッテネータのことを色々伺い、DALE巻線アッテネータの購入を決意し、そのときにケーブルについて色々質問させていただいたところ、ケーブルも一緒に送っていただき試聴する機会をもらえました。アッテネータのエージングなど音の変化はケーブル以外の要素が強いと思います。ですが、できるだけ印象を正確に示したいと思います。
2/16
アッテネータの取りつけを完了し、とりあえず試聴を開始しました。一曲目でいきなり音のバランスが悪くなったと感じます。元々ボリュームでしばらく鳴らしこんでいたのでなおさら違和感を覚えます。とりあえずエージングということで特に気に留めず色々な音楽を聴いていきます。常に電源は入れっぱなしで音量は一定に保っていました。
2/17
この日にケーブルが到着しました。いよいよ本格的に比較試聴を開始します。ケーブルの見た目ですが、Webページの紹介の絵の印象より太いです。そしてWP-1は固いです。「これは凄い音を出してくれそうだ。」というのが見た目の率直な感想です。ちなみにこれまでのケーブルの環境ですが、450円の電気ショップでどこにでもあるようなケーブルです。元々ケーブルの知識が乏しかったのと、予算の関係でケーブルは後にそろえようと考えていました。
試聴用のCDのリストを示します。私はLPを聴ける環境にないためCDのみです。音楽は幅広くなんでもいけるので色々なジャンルで試したいと思います。
アーティスト
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タイトル
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音楽の方向性
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池田亮司 |
OR |
電子音楽、
ノイズコラージュ |
Libera |
Libera |
コーラス。聖歌に近い。 |
エキセントリックオペラ |
NOEL |
女性ボーカル。
プログレ。 |
芥川也寸志 |
管弦楽全集1,2 |
クラシック |
吉松隆 |
プレイアデス舞曲集 |
ピアノ曲 |
ソロンゴ |
虹という名の少女 |
童謡。みんなの歌 |
スティーブライヒ |
ライヒ・ベスト ミニマル |
現代音楽 |
アースウィンド&ファイア |
the best of earth,wind
& fire vol2 |
ディスコ |
LSD |
サウンドトラック |
テクノ、トランス |
GYO |
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サンバ+読経 |
ジャンルとしてはまだまだ不足していますが、これだけ用意しました。また、SCA-7510はパソコン用の使用も想定しているためパソコンの出力をこちらに通して聴いてみることにしました。ただし、パソコンからの出力は端子が違うため、ケーブルの比較試聴は行っておりません。
ケーブルの音の比較として行います(以下AP-1,WP-1,今まで使用したケーブルを450円ケーブルとします)。
450円ケーブル : これまでのボリュームのイメージが強いせいかかなり良くきこえます。全体的にどの音が鳴っているか確認でき、アッテネータの良さが実感できるようになってきました。
AP-1 : 450円ケーブルと比較するとレベルが違います。音のバランス自体はアッテネータの影響が強いことが予想されますが、一つ一つの音が段違いに鮮明です。また、空気の振動も感じ取れ音の鳴り始めから消えていくところまではっきりと聞き取れます。
WP-1 : AP-1と比較すると、AP-1は音に包み込まれるような印象に対し、WP-1は頭に直接入ってくる印象です。音が頭の中心に響く、という感じでした。音のクリア差や空気の振動などは甲乙つかないほどです。
これを聴いた段階で、450円ケーブルは比較すること自体が間違いだと思いました。この先は2つのケーブルのみで比較を行っていました。上記は全体的な印象です。一つ一つ書くと時間が全然足りないので典型的に違いを感じ取れたものについて示します。
芥川也寸志の管弦楽全集
これがケーブルの効果が一番薄かったと感じます。全体的にノイズが目立ち、臨場感もほとんど感じ取れませんでした。コンサートでの直接録音のためこのような結果になったと思います。ケーブル以上にCDとしての質の悪さが浮き彫りになる結果でした。このCDに限ってしまえば、ケーブルの差はほとんど無いといって良いくらい元のソースのノイズが酷いものです。
池田亮司のOR
直接ライブに行った経験があるため違いが顕著にわかります。一つ一つの音が綺麗に聞こえ、低音が体の芯を響かせる。大きな低音の中で他の細かな音が鳴っていることも確認できます。全体的に自然なイメージです。
とにかく高音が綺麗に響いてきて空気が振動しているのが良くわかります。また音が綺麗に分離するという表現も良く理解できました。アッテネータのエージングは三日以上鳴らしこむということでしたが、私としては二日目にして変わってきたように思えます。音量を上げることのできない環境でしたが、大音量で鳴らせばライブを再現できるほど、生の音に近く感じました。
また、AP-1とWP-1についての違いも感じ取れました。違いは上記に示したとおりですが、ライブに近い印象を持ったのはWP-1です。ですが、これまでのケーブルに比べると両方とも音がクリアですっきりとしたものとなっています。
2/18 〜 2/21
この期間は家にいる間ずっと上記のいずれかのCDをかけていました。そうして気がついたことなのですが、近所迷惑にならない限界程度の音量にしていたのですが、うるさく感じません。これまでは、数時間もCDをかけていると飽き、耳も疲れるため止めていました。
このアンプ+ケーブルにしてからそんなことが一切ありません。ずっと何かのCDをかけていても気になりません。音が環境に溶け込んでいる感じがします。大音量のまますっかり眠ってしまうこともありました。
また、これまでCDを止めるときは耳が疲れるときだったので、解放された気分になったのですが、今の環境で音楽をとめると異常に静かに感じます。丁度映画を見終わったときやライブ、コンサートが終わった後の感覚と似ていると思います。このこと自体
相当驚きました。
2/22
この日から試聴屋様のアドバイスを元にケーブルの向きを変えたり、アンプを縦に置く、下に木を敷くなど試してみました。銅板は入手できませんでしたので、木のみで試しました。これまでのボリューム→アッテネータやケーブルの変更に比べると非常に微細な差です。ですが、確かに違っていると思います。
一番違うのは縦置きと通常置きです。木の板を下に敷くことでも似ている結果が得られましたが、若干音がクリアになります。他の音との干渉が薄れた、という感じでしょうか。これが振動による音の濁りだったのかもしれません。
ケーブルの向きによる音の違いはほとんど認知できません。ただ、どちらかを選べ、といわれたら、長く親しんだ方向を選ぶと思います。何となくですが、方向を変えて繋いだ後少しだけ(気のせいかもしれません^^;)微妙に音が薄くなった気がしました。少しすると、もう違いはわかりません。その後一曲単位でケーブルの向きを変えたりしましたが、明確に差を感じとることはできませんでした。
これ以降の日は特に意識せず音楽を楽しむことにしました。そもそも1日中音楽をかけているという経験が始めてですが、耳が疲れてこないため次々とCDを変えて聴いていました。
終わりに
ケーブルについての試聴は以上です。また、コンピュータからの音も試してみましたが、CDプレイヤーからの音に比べると今一つ、MP3については明らかに音の劣化がわかるため、長く聴けません。MP3の特性を素直に表現しているためか、音楽として楽しめる音質を得ることはできませんでした。
また、コンピュータを起動していなければならないため、コンピュータから発生するノイズで音質が損なわれています。コンピュータで作業しながら聴く分にはこれで良いと思いますが、音楽に浸る場合は厳しい結果になりました。
最終的にケーブルの効果を十分に堪能できる結果を得ることができました。最終日にボリュームも使い、全ての組み合わせで試聴しましたが、やはりボリューム→アッテネータに比べると音の変化は劇的といえるほどではありません。ですが、すでにアッテネータを使用している場合の次のステップとして最適だと思います。
また、AP-1、WP-1の違いも相対的に見るとあるのですが、これまでのケーブルと比べると微々たるものと思います。どちらか選ぶとした場合、私の好みはWP-1でした。
アンプについての考察ですが、まず、コンピュータと一緒に使うとはいえ縦置きするより多少場所をとっても通常通りに置いた方が良いです。縦置きで使うためのスタンド(PS2ではありませんが^^;)や縦置き用のインシュレータがあると便利だと思います。
最後にこのような機会を与えてくださった試聴屋様に感謝いたします。これからもより良い音質を目指して頑張ってください。
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