illusion
PRE-5410
神奈川のS.M様より
この度はプリアンプ及びDACを貸して戴きありがとうございました。ある意味で一部は比較にならない機種と比べてしまっているのでアンフェアかなとも思いましたが、参考になさって下さい。
PRE-5410の仕様
AW-23(DALE巻線抵抗使用)
SATRI V4.3+V5.1レジン
内部配線:アッテネータ-基板間のみ金メッキ単線
プリアンプPRE-5410の全体的な印象
DAC-2000+PRE-5410の音の印象は、以前使っていたコニサー4.0 Line Pre Amp(電源別筐体の超マニアックなプリ)に少し近いかもしれません。細かい音一つ一つを個別に顕微鏡で拡大し、微細な音が混ざらずに、かつ、瑞々しく、濡れる様な艶かしい音のする、、、、聞こえない音の沢山出てくる、そんな表現が合うプリアンプでした。とにかく音の鮮度に拘っていた当時、海外製も含めて4-5種類位のアッテネータを使い、最終的に銀線+ゴアテックス被覆のAC
デザインのコンクルージョンというアルミブロックのオブジェみたいなアッテネーターを使っていました。コニサーにした理由は、どうしても入力切替が必要になり、1系統の入力しか持たないアッテネータと比較して、入力切替があるにも関わらず、最も気にしていた音の鮮度が更に高かったからです。
評価した現状システム
■米国F社 超高精度クロックジェネレータ
↓
■dcs社 Verona(クロックジェネレータ)
↓
■エソテリックP-0s/VUK ACケーブルPAD Dominus
↓ デジタルケーブル セント・セシリア
■MSB Platinum DACUPreAmp ACケーブル銀2φ単線
↓ラインケーブル PAD Dominus
■FAST M-300U AC PAD Dominus
↓PAD Dominus
■SP Egglestonworks Rosa
+
■Murata スーパーツイータ 103B
BP DAC-2000+illusion PRE-5410
サトリアンプは、コニサーほどの究極の個別の音の顕微鏡での拡大というイメージまではありません。ただ、同時比較ではありませんので記憶での比較ですが、ある意味もっと3次元的な奥行きが表現できる、自然な音で、雰囲気が素晴らしく良いアンプです。アッテネータと比較して、出力インピーダンスを下げられるからか?音の鮮度は高いままで、解像度も良く、柔らかく、でも、しっかりとした音で、良くブレンドされたウィスキーみたいって思います。それぞれの音が混濁していないが、柔らかく混ざり合っていて、聴けばちゃんと分離している、そして、全く刺々しい感じがありません。聴いているうちに、余りに気持ち良くて、眠ってしまいました。
DAC-2000+東京光音自作アッテネータ(2PC65CS)
入れ替えた瞬間は一番鮮度が高く、私の好みかもしれません。反面、聴いている内に段々神経質になって疲れて来る様な、ある種の刺々しさがあり、気が付くと音を聴いていました。何故そうなるのか分かりませんが、、、そういう表現が当たっています。且つ、3次元的な奥行きはPRE-5410に一歩譲る、、、そんな感じです。部品の値段を考えればある意味、凄いな!!とも思いますが、これは自作だから実現出来る事で、市販のアンプにボリュームの部品代のみで5-6万円も普通はかけませんよね。当然ですが、S/Nは抜群です。
MSB DACUPreAmp
上記2機種と比べると、微かにこもった音という印象はありますが、アッテネータで感じた刺々しさはありません。PRE-5410の音を微かにこもらせた印象。その分だけMSBの方がS/Nが良いと想像されますが、そんな違いではありません。SPに耳を付けても無音で、アッテネータと同等の静かさです。ただ、3次元的な奥行きはPRE-5410の方が僅かに良いかな、、、、そんな感じです。
比較した場合の大きな違い
まずS/Nです。MSB DACUPreAmpは無音時に、SPから"シー"という残留ノイズが全く聴こえません。アッテネータも当然同じです。
サトリはコニサー4.0Lineと同じ位の"シー"という残留ノイズが聴こえます。我が家の特殊事情かもしれませんが、完全防音された静かな部屋で、夜中小音量で聴く事が多いので、かなり気になります。
PRE-5410お勧めのユーザー層イメージ
音量を普通に出せる
我が家の様に異常に静かな防音室ではない
のであれば、サトリPRE-5410は物凄く買いだと思います。
価格が3倍位違う(今は4倍かな?)コニサー4.0Lineと良い勝負に思います。
私の場合
解像度も欲しい
S/Nは最高に良くしたい
最高級巻線抵抗のアッテネータに、増幅しないバッファー(=インピーダンスを下げる)がやはり良いかとも思いましたが、残留ノイズの全くない増幅素子はガリ砒素?位しか当てはまらないらしく??? 無線では使われてるようですが、それをまだオーディオで実用にはしていないようで、時間がかなり掛かりそうです。これは調べてみないと分かりませんが、、、、。
S/N、解像度、鮮度を究極に稼ぐならデジタルプリとパワーDAC(デジタルパワーアンプ)の組み合わせしかないかもしれません。ゴールドムンドで一度聴いたことがあり、そのS/Nの良さ、クリアーな音は次元が違いました。ただ、3次元的な奥行きが出るか? 聴いていて疲れない音か? それは自宅試聴していないので未知数ですし、合計が250万円を軽く越すので、今はちょっと静観ですね。
私が10年来思っていた疑問(=アッテネータよりもプリアンプの音が良い筈はありえない)が試聴屋さんの貸し出しのお陰でクリアーになった気がして、とても感謝しております。山崎さんと色々御話しさせて頂き、私が考える様なほぼ全てのことをやられており、凄いなと感心しました。貴重な機会を与えて下さりどうもありがとうございます。
(試聴屋からのコメント)
この度はご試聴ありがとうございました。
高級機の組み合わせの中でお使いいただきまして光栄です。
お電話でも少しお話ししましたが1つ気になった点がありました。
PRE-5410はアナログアンプのため、デジタルアンプほどのS/Nは取れませんが、弊社で能率100dBのホーンシステムでもアンプノイズは聞こえない状態で鳴らしております。SATRIアンプはプリ+SATRIパワーアンプの感度とゲインをうまく使うことで残留ノイズを出さないようにすることが可能になっています。
お使いのFAST M-300Uはゲイン固定アンプですので、小出力でもゲイン最大(330W)になっています。また、感度もSATRIパワーアンプよりは高いはずですので、PRE-5410と組み合わせた場合、わざわざ残留ノイズを出そうとしているかのような使い方になってしまいます。
SATRIプリ+SATRIパワーの組み合わせですと、SATRIパワーアンプの感度は2Vと低いため、プリの残留ノイズが低くなり、さらに、接続するスピーカーに合わせてゲインを下げることができるため、パワーアンプ自体の残留ノイズも下げることができます。そのため、SATRIプリの残留ノイズは二重に下げられ、事実上スピーカーからノイズは聞こえなくなります。弊社試聴室のホーンスピーカーは100dB以上ありますが、通常音量ではホーンに耳を付けても残留ノイズは聞こえません。もちろん、プリ、パワーのボリュームを最大に上げればノイズも聞こえますが、このとき出る音は耳が壊れるくらいになりますので、ここまで上げて使うことはまずありません。
もし今後もS/Nにこだわるということでしたら、パワーをSATRIパワーアンプに交換していただくことで、小音量時の残留ノイズは全く聞こえなくなるはずです。現状では、FASTのアンプによって小音量時でも常時330Wの出力が出る状態になっていますが、深夜の小音量試聴ではそれほどゲインを上げる必要は全くなく、むしろ大幅にゲインを絞った方がS/Nの良いサウンドになります。しかしFASTのアンプにはゲインを下げる機能はないため、SATRIパワーアンプを使って下げていただくのが最善と考えます。Egglestonworks
Rosaは能率87dBですので、SATRIアンプでしたら通常音量でも残留ノイズはまず聞こえませんが、深夜、S/Nの良い環境で聞こえた場合でも、ノイズが聞こえないレベルまでゲインを下げていただければ、そのポジションがそのスピーカーにとって最適なゲインになります。もし、そのポジションで音量が小さかった場合はSATRIプリ側で調整していただきますと、プリとパワーの最適なゲインが決まります。illusion
PRE-5410にはゲイン調整機能がありますが、デモ機は14dBに設定してありました。これを最低の10dBに下げてお使いいただきますと、さらにS/Nが良くなります。パッシブと同じような使い方をされる場合でしたらさらにゲインを下げて0dBにすることも可能です。
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