フルillusionシステムユーザ

illusion EQA-5620C+PRE-5410+AMP-5511Mk2を聴く

東京のTom様より

1.システム構成

　PRE-7610を自宅試聴させていただき、その音の良さにillusion PRE-5410の購入を即断、その後間髪を入れずに、フォノイコライザーillusion EQA-5620C(銅仕様)、及びパワーアンプillusion AMP-5511Mk2の自宅試聴を申し込みました。

　貸していただいたのは、EQA-5620がV4.3+5.1レジン搭載の銅仕様。AMP-5511Mk2がV4.3+5.1レジンとAW-23アッテネータ搭載機です。

　このイコライザーからパワーへとつなぐサトリリンクで聴くLPの音は、本当に素晴らしいものでした。自宅にて、既に購入したPRE-5410につないで、1週間ほど試聴させていただきました。最初につないで以降電源はずっとONのままにさせていただきましたので、エージングが良好に効き、5日目ぐらいから更に素晴らしい音に変化してきました。

　私の所有するLPは、自慢できるほどもものはほとんどありません。その中で、数少ないオリジナル盤の素晴らしさは言うまでもないことで、再発の廉価盤LPでさえ、今までの音とは別物の音を聴くことができました。とにかく音の「佇まい」が違います。

　その廉価盤LPの中には、以前の私の装置では音場感・奥行き感がなく、フォルテの部分では音が歪みがちで、ほとんどターンテーブルにはのることがないLPもありました。ところがそのLPをillusionの組み合わせでかけると、まさしく演奏している素晴らしい音場が形成され、奥行きを伴って楽器の遠近感が出るとともに、演奏者の呼吸音、うなり声、周囲の付帯音（楽譜をめくる音、録音会場の外を通る車等の音）など、まさに実感を伴ってきこえるようになりました。また、音に「芯」ができ、歪みがちであった部分も解消され、ふっくらとした伸びやかな音質に変わりました。

　もともとLPが主でCDはあまり聴くことはなかったのですが、以前にもましてLPを聴く時間が増えてきました。オリジナル盤にいたっては、圧倒的な情報量の多さに驚いています。

　フォノイコライザーの導入にあたり、このillusionの自宅試聴希望の前に、いくつか他社のイコライザー候補を挙げていたのですが、もうその必要はなくまりました。この価格でこれだけの音が出ればもう良いのではないか。

　私の装置は、illusionで統一することに即決定です。懐具合は大変に淋しいのに、またまた後先も考えず、イコライザーもパワーアンプも一挙に購入することになりました。おそらくこれは、私の一生ものの装置になることでしょう。

　ところで、試聴屋さんの最大の売りの一つは「自宅試聴」ということでしょう。試聴記は参考にはなりますが、人それぞれ、部屋や電源に関わる環境が違うわけですから、実際に試してみなければ何とも言えません。私も含め、他の人の言葉を参考にして良かれと思って購入した有名ブランドの機器が意外に良い音がしなかったという経験を持つ人は少なくないのではないでしょうか。その点、試聴屋さんの場合には、一週間借りられますから、自分の部屋環境に応じてセッティングを試みられ、またエージング後の音質も聴くことができます。しかも、懇切丁寧でどんな些細な質問にも対応してくれます。そして音を聴いた時、他の方の試聴記に納得するのです。

【追記】
　illusion AMP-5511Mk2は、お借りしたのはAW-23のアッテネーター搭載機でしたが、最終的にはAS-23を選び購入しました。勿論AW-23も素晴らしいものだと思います。自宅試聴の時点で、これまで使っていた価格比数倍のパワーアンプを軽く上回ってしまいました。非常に分解能が高く、またゆとりのある音質が聴きとれました。これでも十分ではないかと思ったのですが、更にその上を行く音があるならば是非聴きたいものだと欲が出て、結局AS-23に決めたのです。

　出費はかさみましたが、今ではAS-23にして良かったとつくづく思います。私の耳には、とにかく彫りが深く、明確な表現をするアッテネーターだと思いました。音楽の実在感がこれまで以上にあります。また、どうしても歪みがちであったLPも、歪みがほとんどなくなり、音の固まりがほぐれ、音の重なりがはっきり分かる鳴り方です。エージングが効くにつれ、また一段と素晴らしい音に変化しています。「AW-23もおすすめ。そして更にAS-23はもっとおすすめ」と言わせていただきます。