部屋は、4畳半の鉄筋コンクリートの建物の一室です。
といっても、壁はかなり弱く、低音がこもって大変、という感じはありません。
むしろ、隣の部屋に気を使う必要があります。
また、吸音対策などはまったく行なっておらず、
壁面に吊るした衣類やカーテンがその代わりをしています(^^;
非常に狭いので、あまりボリュームを上げることは出来ません。
(アッテネーター位置で、下から4〜5番目くらいです)
試聴機器は、このようになっています。
CDトランスポート |
Philips LHH-700 |
DAC |
BP DAC-2000K |
パワー |
BP AMP-5512K |
SPケーブル |
アンデル線ケーブル AS-1 |
SP |
自作 6N-FE108ES使用 バックロードホーン |
●試聴記(その1)
エージング前のアンデル線スピーカーケーブルの感想を書きたいと思います。
比較対象はLinnのK-400(の1/2)です。
試聴に用いたのは、IMAGE AND WORDS / DREAM THEATERです。
まず、一聴して思ったのは、
あれ?あんまりかわりないかな?
という感じでした。
K-400と比べて、これが足りないとか、
変な癖がある、ということは感じませんでした。
で、2,3分ほど聴いていると、
音が異様に滑らかな事に気がつきました。
音の硬さがほとんど感じられません。(あ、良い意味で、です)
音が自然に広がっていく様がはっきりと聴き取れます。
この辺は、以前お借りしたテフロン単線ラインケーブルと
良く似た感じだと思います。
またこのときは、K-400も滑らかさでは及ばないものの、
似たような感じかな?と思いました。
その後30分ほど聴いていると、
少しずつK-400と違うかな、と感じるところが出てきました。
まず、反響音やエコーが、周囲から聞こえてきます。
特に、ギターは良く聞こえました。
これは、K-400よりもはっきりと出てきます。
以前に、ラインケーブルのお話で、
「音場の拡がりとエコーが出てきます」
との事でしたが、まさにこの音がそうですね(^^
これは、聴いていてとても心地よいです。
それから、ドラムが前に来て、ボーカルが後ろに引いた感じがします。
どうやら、現時点ではK-400よりも高域がわずかにきついようで、
これが原因かな、と思います。
私は、ボーカルは前に出てくる感じのほうが好みなので、
ちょっと残念かな?
ただ、これはおそらく、エージングが進めば収まっていくかな、
と期待しています。
とりあえず、こんな感じでした。
エージング前でもなかなか良い音ですね(^^
今後、どう変わっていくのか楽しみです。
●試聴記(その2)
8時間ほどMDMS-CD/ SHEFEELDをかけっぱなしにした後、
再びIMAGE AND WORDS / DREAM THEATERを聴いてみました。
すると!
かなり音が変わっています。
昨日の、高域がやや強いかな、という感じは、
本当は各楽器の音色の一部であることがわかりました。
ボーカルとギターの音は、これまでにない
生々しさを持っています。
また、ボーカルが引いている感じは、
ほとんどピンポイントで定位が出たためと、
その周りから漂ってくる間接音が増えたためのようです。
音像は小さく、その周りから私の周囲まで
音が広がっていく様は、なんともすばらしいもので、
思わず「よし!」とうなずいてしまいました。
まだ少しドラムが前に出た感じがありますが、
エージングが進めば、もっと自然な感じに
変わるのではないかと期待しています。
もしかしたら、これは前にf特を計ったときにでた、
高域のピークのせいなのかもしれません。
あ、ちょっと気になる点が一つ出てきました。
どうも、低域がやや控えめになったようで、
これがもうちょっと出てくれると嬉しいのですが・・・。
私の経験では、どうもきつく撚ったケーブルは、
低域が控えめになり、高域がきつくなるような
傾向があるように思います。
しかし、このアンデル線SPケーブルは、
高域は自然な感じですね。
低域が控えめなのは、やっぱりそうかな?
と思いましたが・・・。
おそらく、もっとフラットなf特をもつ環境であれば、
よく締まった躍動感のある低域が楽しめるのでしょう。
(私の環境は、ドンシャリかつ100Hz以下と16kHz以上は少なめなので・・・)
それから、どうやらスピーカーのセッティングに
とても敏感なのかもしれません。
スピーカーを動かしたわけではないんですが、
聴く位置を変えてみると、音色が大幅に変化します。
K-400では、どこにいてもそれなりに聴ける感じがあるのですが、
これは、明らかに音が変わってしまうので、
聴きたいときには、(動かないように)
腰を据えておく必要があると思います(笑)
いま、さらにMDMS-CDをかけっぱなしにしているので、
今度はさらにエージングが進んだ音を聴くことになります。
さて、どんな音になるでしょうか?
今の音は、DAC-2000+アンデル線テフロンケーブル+AMP-5512K
じゃないと聴けないのだと思います。
後は、きちんと低音の出るスピーカーと部屋ですね(^^;
今は、高音がきついという感じはほとんどありません。
ボーカルも、だんだん前に出てきたように感じます。
●試聴記(その3)
まず、音の変化なのですが、
一番感じたのは、音が自然な感じになった、という事です。
前回は、楽器の定位とそのエコーおよび反響音が
ややダブった感じがあったのですが、
それが綺麗になくなりました。ちゃんと聴き分けることが出来ます。
各楽器はピタリと定位し、ふらつきは感じられません。
エコーと反響音は、サアッと広がってきて、
直接音と見事に調和している、というか、
こう、お互いに邪魔をする事がなく、
一つの楽器から出た音なんだな、という感じです。
(わかりにくくてすみません)
また、解像度がとても高く、
いままで気付かなかった音が聞こえてきます。
よくいう、指の動きが見える、
とか、ボーカルの息遣いが感じ取れる、
というのは、こういう音のことなのかな、と思いました。
解像度が高いと言っても、強調された感じはまったくなく、
極めて自然な音だと思います。
そして、以上の影響からか、ボーカルおよび各楽器に
強烈な実在感が出てきました。
これは、今回の試聴で最も嬉しかった点でもあります(^^
また、前回まで気になっていた点は、かなり改善されてきたようです。
ドラムが前に出てくる感じは、だいぶなくなってきました。
ボーカルが奥に引っ込む感じは綺麗になくなり、
左右のスピーカーユニットの中心を結ぶ直線から、
大体10cmほど手前に定位しています。
(本当は、スピーカーよりも手前に来るという事は
ないように思うのですが、おそらく部屋の壁面からの
反射音が影響を与えているのかな、と思います)
ベースの低音の階調もしっかり聴き取ることが出来ます。
ただ、これでばっちり!というわけには行かなかったようで、
問題点もはっきり出てきたようです。
1)低音が足りない!
2)高域の一部がきつい!
といっても、この2点はアンデル線ケーブルが悪い、
というのではなく、部屋とスピーカーの問題のようです。
以前、アンデル線ケーブルを使用する前に、
f特を測定したことがあるのですが、
80Hzより下が、10dB以上落ちており、
かなり物足りない感じがします。
また、3K〜8KHzが、6dB以上高く、
これが2)の様に感じられるのだと思います。
6N-FE108ESは、高域が1部きつい、
というのを聴いたことがあるので、
どうも、このユニットの特性なのかな、と思います。
ちなみに、ごろ寝して聴く分には、
低域が持ちあがり、高域が減衰するので
一見、いいバランスのように聞こえます(笑)
(8KHz以上がなくなるので、抜けきらない感じですが)
現在、強調感がなく自然な感じなので、
最初からリスニングポイントにて聴いていると
以上の問題点はほとんど気にならないのですが、
位置を変えながら聴くと、やはり
低域足りないなー、と思ってしまいます。
では、これまでの試聴記のまとめです。
取付け直後〜30分程度:
やや高域が強いものの、
音の広がりと、直接音-エコー・反響音
の繋がりがとても滑らかな感じ。
ドラムが前に出てきて、ボーカルは後ろへ引く。
8時間程度エージング後:
直接音-エコー・反響音の繋がりが自然な感じに。
定位がはっきりと出てきて、高域のきつさが取れてくる。
やや低域が弱い様に感じる。
試聴位置により、はっきりと高域が変化する。
(スピーカー正面だときつく、オフセンターだと
やや抜けきらない感じ)
20時間程度エージング後:
とても実在感のある音に変化。
直接音とエコー・反響音が、はっきりと聴き取れる。
また、その繋がりが極めて自然な感じになる。
ボーカルの定位がきっちりと出る。
試聴時の環境における、f特の凹凸が感じられる。
このような感じです。
現在の音は、私の今までの経験の内で、
最も良い音だと思います。
しかし、低域が・・・・。
スーパーウーファーでも作ろうかな?
-試聴記終わり-