このたびはAMP-5512を1週間お貸しいただきまして、有り難うございました。
試聴機は、同機の最高の状態に改良され、V4.3 + V5.1(テフロン)と抵抗切替型アッテネーターが装着されておりました。
試聴はソニーのCDPとD-55ES(D-55バックロードホーンにFE-208ESを装着したもの)を用いて実施しました。通電数時間後、聞き慣れたCDを何枚か聞き、ただ者ではないと理解しました。
まず、音が鮮明です。単に分解能が優れているという域をこえています。これまで、AMP-5511も試聴しましたし、SCA-7510は常用機の一つです。これらも分解能はすぐれています。AMP-5512試聴機は、音像が引き締まってその中心から音が放射されるように聞こえます。それが音が鮮明に生っぽく聞こえる理由と思います。それとよく聞くとD-55ESがハイ落に聞こえます。そこで、時々きつく聞こえるのではずしていたツイータ(T-925A)
を加えると、臨場感がさらに向上しそこで演奏しているように聞こえます。
今回のインパクトからいろいろと考えさせられました。
音像が引き締まっている
フルレンジSPがハイ落に聞こえる
ホーンツイータがうるさくない
これらは、アンプの振動板制御能が非常に優れていて、不要振動が少ないということでしょう。振動板制御能というと、38cmウーファのような重い振動板を動かす能力が問題にされますが、1kHzや10kHzの高速の動きをピタッと入力に追随させるのも容易ではないのだと学びました。思うにこれはスルーレート無限大のSATRI回路とV5.1
ICとOSコンの相乗効果でしょう。三洋のHPのOSコンの資料からOSコンの瞬時放電能がいかに高いかを知りました。そうすると、アンプの全段をOSコンから供給しているAMP-5512は比類のないアンプといえます。その点で、AMP-5512はAMP-5511の兄貴分というよりは、BP製最高級アンプAMP-6510の系譜と見るべきでしょう。
ともかくこれまで聞いた多くのアンプと
一線を画する
音楽再生が経験できました。オーデイオマニアはCDのちょい聞きをする癖があります。しかし、今回はちょい聞きのつもりで聞き始め、
最後まで聞いてしまった
CDが何枚もありました。このような経験はこれまでなかったことです。本質的に優れたアンプといえます。ですがAMP-5512にも限界はあります。出力が小さいこと、クロストーク特性があまり良くないように聞こえることがあること、この2点から大編成の演奏のスケール感が今一歩と感じます。これらを解決する手段は5512
x 2台の
BTLモノラル使用
です。それだとしかし、キットでも計50万円となります。それが問題です。