illusion
ESC-1001試聴記
麻薬的な魅力を感じました
和歌山の松下様より
普段STAXをSCA-7510+SRD-7/mk2を用いて使用しておりました。久しぶりに試聴屋様Webページを拝見しましたところ、なんと、SCA-7510発売時に「でるかもしれない(?)」くらいだった、STAX用のアダプタが発売されており、早速試聴を申し込んだ次第で御座います。
実を言うと、すでにSRD-7/mk2の音でかなり満足していました。しかし、「さらに、透明感のある音」という言葉に惹かれ、申し込んだが運の尽き。気がついたら元のSRD-7/mk2には戻れなくなってきました。
今回は、SRD-7/mk2と比較することを目的としていたので、リファレンスとしているCDで徹底的に比較を行いました。以下に全体的な傾向をまとめます。念のため、サブとして使用しているHD-650とも比較しました。
参考までにシステム構成です。
CDP |
CEC TL-5100Z |
AMP
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BP SCA-7510 (15Wにパワーアップ済み)
+ AW-23 |
RCAケーブル
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BP WP-1 |
スピーカーケーブル
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金メッキテフロン銅単線(ESC-1001) |
ヘッドホン
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SENNHEISER HD-650
STAX SR-Λ signature |
SENNHEISER
HD-650
さすがSENNHEISERといったところです。低域が非常に豊かで高域も綺麗になってくれます。STAXと比較して、という評価ですが、音の輪郭が若干ぼやけているように感じます。しかし、それが逆に音楽の「味」と考えれば大変良くなっていると思います。聴いていて疲れないし、STAX以外では最も気に入っているヘッドフォンです。
STAX SRD-7/mk2
HD-650に比べ、低域の量が明らかに落ちます。しかし、こちらのほうがフラットな特性に近いでしょう。非常に高い音までなっていますし、音の定位もHD-650に比べ、圧倒的に良いです。HD-650が「豊かな音」ならSTAXは「綺麗な音」というのが個人的な意見です。音が全体的に透き通っているような印象を受けます。
illusion
ESC-1001
基本的な傾向はSRD-7/mk2と同じです。帯域毎のエネルギーは全く同じと言って良いかもしれません。低域から高域までの量感は区別できません。違いは、試聴屋様も書いてありますように、音の輪郭や定位感で現れています。初めはそんなに差を感じなかったのですが、一週間ESC-1001のみを聴き続け、返送した後、SRD-7/mk2に戻しリファレンスCDを聴いたときにはっきりと自覚できました。ESC-1001の音の透明度はSRD-7/mk2に比べ圧倒的に差がついています。最初はそこまで意識していなかったのですが、一週間聴き続けたことで私の耳に完全になじんだようです。
主に非常に高い声も耳障りな響きをせず、シンバルの音、ピアノの鍵盤をたたく音、ヴァイオリンなどが特に綺麗になってくれます。低域のベースやドラムの音なども落ち着いた印象になります。逆に言えば、中域付近ではほとんど差がわかりません。
総評
すでに、私の耳はESC-1001にチューニングされてしまいました。今まで満足していたSRD-7/mk2ですが、今聴くと結構不満な点が見えてきてしまいます。HD-650とは傾向が全然違うのでHD-650とどちらを選ぶかは、好みの問題でしょう。綺麗な音を求めてSTAXに行き着いた人ならESC-1001を選ぶ人が多いと思います。より透明度が増す、麻薬的な魅力を感じました。
また、試聴機に付属していた金メッキテフロン銅単線。これも良い仕事しています。普段使用しているスピーカケーブルでESC-1001を聴くと透明度がいまひとつです。ESC-1001を購入する場合、一緒に金メッキテフロン線を購入することをお勧めします。
最後に試聴の機会を与えてくださった試聴屋様に感謝致します。
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