●試聴記投稿要領 ●銅足 ●金メッキテフロン単線 熊本の藤本様 Tochey様
●DSIX1.0 |
PRE-7610(+AW-23,V5.1Teflon)試聴記 絶句した はじめに オーディオシステムにおけるプリアンプ部分がいかに重要かは百も承知であるので、20年前にパワーアンプを導入した時迷わずアッテネータ方式を選んだ。無電源で、最高のパーツを厳選して作れば、どんなプリアンプより鮮烈で、かつ無個性となるはずである。実際にそれは満足できる製品だったし、それ以上の物にグレードアップする気持ちなどまったくなかった。しかし縁がありSATRIを推薦して頂いたので、最初は半信半疑であったが、自宅試聴の機会となった。試聴機はPRE-7610である。 出会い 宅配のダンボールから取り出したPRE-7610は冷え切っていた。暖かい部屋へ持ち込むことでの結露が気になったが、20年間鎮座したアッテネータの代わりに所定位置に収まった。大地アースし、電源を入れる。繊細で感触の良い電源スイッチは私の好み。アイドリングは無視して試聴の開始である。 最初のCDは声の音質チェック用として、竹内まりやの「インプレッション」である。声に付帯音が付いたら不合格、鮮度を優先した装置ほど付帯音が付く。特に1曲目の歌い出し部分。
私の経験ではこの表現力に匹敵するのはアナログで、しかもカートリッジにデッカmark Xを選択した場合のみ、である。ナマの竹内まりやの声を私は聞いたことがないが、本人の声はかくあるべし、とPRE-7610は言う。私は何の疑いもなくその意見に賛成し、感服した。 次なるCDはフランクのヴァイオリンソナタである。演奏者はグリュミオー、1961年の録音で装置の帯域が高周波領域まで伸びていないとまともには鳴らないCDだ。
定石どおりのピンポイント音像も好ましい限り。
現有アッテネータでもテープヒスは明確に聴き取れるが、PRE-7610の鳴らすヒスは野太くてやさしい、暖かいヒスであり、忠実性が優れていることの証明である。 脱帽
25年間同じ屋根の下に暮らしながら、オーディオ装置にかつて一度もコメントをしたことのない妻が家計簿をつける手を止めてこう言った。
試聴するつもりが、逆に試されたのは私(笑)。価格が6桁を超える高級機がどんな音質か知る由もないが、現時点では望みうる最高のプリアンプと確信する。しかし今すぐ入手しようとは思わない。求め続けた回答を手に入れた今、もう迷うことはない。そこへ行けば必ずあの音に逢える。そう思うと心は穏やかである。 最後に貴重な体験をさせて頂いた試聴屋様、私にSATRIを紹介してくれた熊本県のO氏にこの場を借りて深くお礼を申し上げます。ありがとうございました。 使用機器
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