AMP-5512試聴記
SATRI-IC V4.3+V5.1テフロン試聴記
沖縄の野津様より
AMP-5512に最新ICを使う
システム構成
AMP
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Bakoon Products AMP-5512K |
CDP
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C.E.C CH7700 |
SP
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JBL 4312Mk2 |
CABLE
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適当(いかんなあ)
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てな構成です。アンプ以外はあまり手をかけておりません。せいぜいCDPのボディーアースを取ったのと、SPの内部配線を銀メッキテフロン単線に換えたぐらいです。ちなみにC.E.C.のCH7700は電源の極性で音場感が激変します。
2000年10月にAMP-5512Kを購入しまして、試聴屋さんにアドバイスを頂きながら、オプションを付け加えるなどして少しずつ改良を加え、現在は、
1.SATRI-IC Ver4.3+Ver5.1(テフロン)
2.SEMIKRON整流ダイオード
3.銀メッキテフロン単線で内部配線
4.DALE巻線抵抗+セイデンSD-45のアッテネータ
5.セイデンSD-26による入力セレクタ
6.OSコンの皮むき
7.UL規格の電源コード
8.0.3mm厚の銅板でトランスをシールド
となっています。4と5はスペース的にオリジナルでは無理でしたので、多少内部のレイアウトを変更しました。
私は無精な正確で、途中経過はあまり興味がなくてとにかく良い音で音楽を楽しみたい、という立場ですので、1〜6の変更がどう音質に効いているのか(いっぺんにやったので)良くはわかりませんし、興味もあまりないです。試聴屋さんや他のユーザーさんのノウハウを吸い取ってよい音を目指すが、自分ではほとんど試行錯誤しないという、全くふとどきなオーディオ好きです。ですから今日はお詫びのつもりでこれを書いています(笑)。ただ、7の電源コードの交換は簡単で時間もかからずしかも前の音を覚えていますから、抜けが格段に良くなったことは覚えています。8は最大音量時で無信号時に気になるハムを取り除こうと思ってやったのですが、効果ありませんでした。レイアウトを変更して、電源トランスのすぐ横にアッテネータがあるせいかなと思ったもので。
先にことわっておきますが、私は筋金入りのオーディオマニアでもなんでもなくて、回路の知識もありませんし(お陰でみなさまのお手を煩わせてしまいました)、今まで多くのオーディオの音を聞いてきた経験もありません。AMP-5512Kに興味を持ったのも、無駄のない設計だな、と思ったのがきっかけです。貧乏な私としては多少お金はかかっても良いが、それをトーンコントロールやサイドウッドなんかに使われたくないですし、設計者である永井さんがおっしゃるように、部品よりは回路構成で良い音を目指す、というのがオーディオの本道だと思いますから(その割にはいろいろいじったなあ。病気?)。だから重量級シャシーや超弩級の防振を施した電源に金をかけているメーカー製アンプは買いたくないな、と思っていました。だってオーディオって電気が流れてナンボでは?シャシーや防振に凝る前にもっと回路でやることがあるのでは?それを体現しているのがBakoonの製品だと思います。出力が必要十分で、そんなに重くなくて扱いやすく、無駄な機能が付いていない国産のそう高価でないアンプ。探してみると分かりますが、皆無とは行かなくても、そういうアンプは非常に珍しいです(あ、球アンプだとそうでもないかな?)。もちろん購入前に試聴機を借りて試聴しましたが、経験の浅い私には今までの自分の使っていたアンプよりは格段にいいな、と思っただけです。そして今もほかのユーザーさんのように高級機と比べたこともありませんから、AMP-5512Kの音が絶対的にすばらしいのかどうか分かりません。私は満足していますけど。当方沖縄在住で、そんな機会もなかなか無いです。ただ、地元のオーディオがウリのレストランで聴いた3wayホーンとは、路線がだいぶ違いますが、リアルさではうちの「アンプ以外適当システム」の圧勝でした。そのお店の3wayホーンのほうはとにかくきらびやかで、つやつやぴかぴかしてました。男性ボーカルなんかは低音ゴリゴリで音像と言うんでしょうか、とても大きい。バイオリンはきれいで前に出てくる感じはよいなと思ったのですが、疲れそう・・・な音でした。要するに大げさな音でした。ああいうのがウケるんでしょうか?SATRIの音はもっと端正で、クールで、リアルですね(IC換える前の話)。
そうそう、試聴屋さんは私のような地方のユーザーにも丁寧に対応してくれるので、ありがたいです。試聴機が郵送で送られてくるなんて、あまり聞かないですから。改造時の相談にも乗ってくれますし。こないだもIC換装の件で掲示板でお世話になったばかりです。
前置きが長くなりました。本題に入ります。SATRI-IC Ver4.3+Ver5.1(テフロン)についてですが、基本的な音の傾向はそれほど変わらないと思います。音場感が良くなったこと以外は、違いを言ってみろといわれてもうまくかけない。ですが、一聴して思ったことは、なんと表現していいか分からないのですが、
とにかく気持ちいいです(笑)
聴いていてわくわくするような音です。おどりだしたくなるような・・・。ノれるというか・・・。
ただ、透明感や静けさ、どこから聞こえてくるのかよく分からない湧き出すような締まったベース、目の前で歌っている位まで音量を上げてもうるさくないボーカル、がさつかず爽やかなシンバルなどなど、AMP-5512Kの音の傾向はそのままです。今までちょっとぎこちなかった音楽がストレスなく、のびのびと流れてくる様です。最初はエージングが進んでいないせいが、低音の量感が大きくなり、シンバルやボーカルのサ行がやかましく、ド派手な音(たまにはいいもんです)になりますが、だんだん落ちついてきます。ちょうど、AMP-5512Kを導入したての頃のような感じです。おそらくVer5.1に搭載されているOSコンのせいでしょう。OSコンのエージングは96時間となっていますが、確かにそれぐらい経った頃から急激に贅肉がなくなってくるようです。
さて、落ちついたあとはだいぶ音も爽やかになり(決して薄いという意味ではない)、しばらくは楽しく聴いていたのですが、ライブものを聴いて
今までよりだいぶリアル。演奏中に観客が上げる歓声が生々しい。サックスがステージをうろつきながら演奏しているのがわかる。
おお、ちょっと気持ち悪いぞ!
これに驚いてちゃんと聴いてみると、はっとしたことがあります。それは、ピアノの音が聞こえる、ということです。もちろん録音されているから当たり前なのですが、今までの私はこれはピアノの音だと思いこんで聞いていたフシがある。まるでイチゴ味のかき氷を「これはイチゴ味なんだ」と思って食べていた様にです。あれは決してイチゴ味ではないですから。だから本物に近いピアノの音を聞いて、はっとしたわけです。ピアノってあまり楽器になじみがない人でも、割と身近な楽器ですよね。私が生の音を聞いたことのある、数少ない楽器のひとつです。前に聴いたことのある、生に近いピアノの音が聞こえます。そういう音がスピーカーから出てきたものだから、びっくりしたんですね。今まで無意識のうちに、本物の音とオーディオの音を別のものだと区別していたようです。頭の片隅で、オーディオからはオーディオの音しか出てこない、と決めつけていたのでしょう。だから驚いた。あの、鍵盤を押したときに指に伝わる、コンッ、という音?振動?まで聞こえ?ます。AMP-5512Kを導入したとき、シンバルが金属の板で出来た楽器なんだな、ということを改めて気づかされたことを思い出しました。思いこみというのは危険ですね。無垢な気持ちで音は評価しなきゃいかんのだな、と感じました。
それから、スピーカーの外側からも音が聞こえてきます。これがいわゆる、音離れがいいってやつかぁ?話には聞いてましたが、スピーカーから音が出ている様に聞こえないという、あれです。今まではベースがそうだったのですが、IC換えてからはギターソロまでが2つのスピーカーの外側から聞こえてきます。
なんでだ?
いままではスピーカーの間にこじんまりとしてたステージが、一気に広くなってます。そういうのはうちのスピーカーでは無理だろうとあきらめていたんですが。正確な増幅をおこなうと音場感が出てくるのでしょうか。
それにしても気持ちいいのはなぜだ?今まではもっとクールな、硬質な感じだったのに。今の方が断然いいですけど。それでいて生々しさは以前通り、というよりもっとよくなってる。大げさな音ではない。正確な再生と、音楽的な表現は両立が大変難しいのだということをどっかの評論家が言ってたような気がする。しかしそれがどうやらSATRIアンプに関しては実現されているようです(もっとちゃんとしたシステムと経験があれば断言できるのでしょうが)。
AMP-5512Kを導入したときはアンプ換えただけで
こんなに変わるのか!
と思いました。今回もIC換えただけでそんなには音が変わるわけないと思っていましたが、だまされたつもりで購入、取り付けしてよかったです。ICとしてはとても高価な気がしますが、その価値はあると思います。最近あまりオーディオに時間と金をかけていなかったんですが、このグレードアップは私を「その気」にさせてくれます。手間暇かければ部屋にいながらにして最前列で聴ける日がいつか来るんじゃないかと、そういう気にさせてくれます。オーディオの可能性を見せてくれますね。そういう意味ではとても罪作りな製品だと思います。しかし、
もう完全にアンプがオーバースペック
のような気がします。これからはもっとスピーカーやら、DACやらに手間暇つぎ込まなくてはいけませんね。シンバルは爽やかだと書きましたが、それでも安物の本物のシンバルをド素人の私が鳴らした音にさえ、全く今のシステムではかないませんから。しかしオーディオからあんな音が本当に出せるのでしょうか?今までは不可能に違いないと思っていましたが、今回の改造で出来るかも知れないぞ、という気になってきました。今後とも山崎様、永井様、よろしくお願いします。
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