出川式電源試聴記
DAC-2000の出川式電源化
愛媛の秋山様より
この度は,DAC-2000 (出川式電源搭載) の試聴機をお貸しいただき有り難うございました。実は,今年DAC-2000 を購入したユーザーなのですが,出川式電源の効果を知りたくて,試聴をお願いしました。
試聴環境は以下のようです。
システム構成
デジタルトランスポーター
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CD再生に特化したハードディスクタイプ |
メインアンプ
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AMP-5513 |
SP
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D-58ES (FE206ES-R 搭載)バックロード(シナアピトン)
ゴトー SG-160 ツイーター |
1年ほど前に,ハードディスクタイプのトランスポーターに換え(Accuphase DP-67から),デジタル信号を復元する上で,円盤を回すアナログ的手法より,もっぱらデジタルを扱うハードデイスクに一日の長があることを実感しております。
それに見合うDACを捜しまして,最終的にはスイスメイドの100万超のものとDAC-2000に絞りました。DAC-2000にしたのは,価格的なものより,AMP-5513との相性を含めて,よりHi-Fiであったからです。いわゆるハイエンドのものは,音作りを感じ,合うソースはいいのですが,合わないものでは「あれっ」という感じです。まあ,SPが自作バックロードということもあるでしょうが・・・。DAC-2000の強みは,やはりI/V変換を無帰還SATRI回路で処理出来る点で,この点はハイエンド機でもOPアンプを用いています。さらに,OSコンを多用してデジタルノイズを丁寧に抑えている点も効いているようです。
さて,出川式電源の効果ですが,これは圧倒的です。最近のSATRI回路の精密さに,電源直流の質が追いついていなかった感じで,SATRI本来の能力が発揮されます。不思議なのは,コンデンサーの強化は低音域に出そうですが,全帯域で目覚ましい改善が実感できます。ラジオ技術2007年1月号に,出川式電源の長所として,情報欠落の改善と倍音域のノイズ軽減をあげていますが,なるほどと思いました。
試聴機は,スイッチで各種電源バージョンを選べるようになっていました。どれがどれと分からないまま,切り替えてみると一番いいのが抜きんでている感じです。後で山崎さんに確認すると,それが出川式電源となる接続で,当方の耳もまんざらでないと思った次第です。一聴,音量が小さくなった感じがしますが,それは余計な音が減ったためで,音像が小さく音場は広くなります。ボーカルなどは口元が見えるような感じになりますし,バイオリンも音の芯から放射するように感じます。ダイナミックレンジ,Fレンジ共に拡大し,演奏の抑揚がリアルに感じられます。これに比べると,従来型電源は平面的で単調に聞こえます。
原理的に優位性があり,好みというレベルではなく,あらゆるソースが良くなります。当然,所有のDAC-2000の改造をお願いしました。工作も丁寧で,安心して使用しております。
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