SCA-7510+アッテネータ3種試聴記
北海道のday様より
CDプレーヤー |
Pioneer
MJ-P5 |
アンプ |
BP
SCA-7510 |
スピーカー |
BOSE
Model 464 |
比較アッテネータ |
・フィリップス金属皮膜抵抗アッテネータ
・ガラス巻線抵抗アッテネータ
・DALE巻線抵抗アッテネータ
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初めに書いておきたいことは、私はPCから音を出力するということです。CDプレイヤーとプリメインアンプは売りましたので、オーディオ機器として使っているのは上記3点だけとなります。PCからの出力は、コンポのCDプレイヤーとの比較でさえも、劣ってしまいますので、その辺を考慮に入れてください。その劣悪な環境の中でどの程度まで出来るかということです(PCの環境については最後に)。
上記3種類のアッテネータを聞き比べました。最終的に私が選んだのは、多くの方と同じDALE巻線抵抗アッテネータです。何回も送っていただいた試聴屋さんには感謝しております。どうもありがとうございます。
さて、試聴屋さんが扱っているアッテネータで、聞いていないのはDALE金属皮膜抵抗アッテネータだけですが、試聴屋さんの紹介通りの音だと思います。だから、敢えて聞く必要性は薄いです。フィリップス金属皮膜抵抗アッテネータで十分と思います。
SCA-7510自体は、試聴屋さんのデモ機を購入させていただきました。ラインナップにはなかったのですが、メールでSCA-7510の自宅試聴を申し込んだ際に、デモ機で良ければ、と言うことでした。運が良かったです。対応がとても親切で、且つ速いのです。SCA-7510の音についてはあまり触れませんが、DENON PMA-2000Nと比べると、低音が全くと言っていいほど出ません(^^;。ただ、他の面では全てにおいてSCA-7510の方が良く感じました。出力が4.5Wと低出力なことは、さほど問題とはなりません。少ない低域に満足出来るかどうかがSCA-7510(ボリューム)を長く使えるか使えないかに影響を及ぼすものと考えられます。ちなみに、私がメインで使用しているヘッドホンはSONY MDR-F1ですが、このアンプに変えてからは出番がなくなってしまいました。スピーカーで聞いた方が圧倒的にいいです(^^; ヘッドホン自体がオープンエア型なので、どうしても音が漏れてしまいますし、それならスピーカーで聞いた方がいいです。小さい音でも満足できる音が得られます。SCA-7510の評価は、他の方の意見を参考になさってください。今はSCA-7511が出たのですが、試聴屋さんによると音の傾向は同じらしいです。
SCA-7510を購入して40日ほど経ちました。年末セールが開催されました。DALE巻線アッテネータが安いです。食指が動いてしまいました(^^; でもお金がないこともあり、試聴屋さんのアッテネータの感想を見て、安くてもアッテネータの方が良さそう、と思い、フィリップス金属皮膜抵抗アッテネータを頼みました。届いてすぐに付けてみたのですが(アッテネータの取り付けは、とても簡単でハンダとかは必要ないです。6角レンチとドライバーがあればOKです。)、音がとても聞きづらい・・・。高域はくすんでいる感じですし、バランスも悪くなりました。この時点では、ボリュームの圧勝でした(^^; この時、試聴屋さんにメールを出したのですが、「最低3日は鳴らしてください」とのことだったので、3日経つのを待つことにします。
その音が激変したのは3日目の半ば頃です。高域がはっきり出て、全体のバランスも良くなりました。なにより音が一つ一つ良く分解されて聞こえます。3日を過ぎると、概ね満足してしまいました(^^; そこで、安いのでこれぐらい変わるなら、巻線ならどうなるのだろうと思いました。もし買うことになった場合の支払日の相談をすると、試聴屋さんからOKを頂けたので、DALE巻線抵抗アッテネータを頼みました。その後DALE巻線が届くまで、フィリップス金皮を聞いています。
届きました。見た目は、でかい!と感じます。アッテネータ自体がフィリップス金皮に使われているものよりも一回り大きいです。音を聞いた時の第一印象がすごく悪かったです(^^; それは私が試聴屋さんのアッテネータの紹介を良く読んでいなかったせいなのですが、巻線も分解されて一つ一つの音が聞けるのだろうと思っていたのです。それで低音が出るなら良いかな〜と。実際低域がとても出るようになります。その代わり犠牲となるのが、高域の楽器達です。音が小さくなり聞き取れなくなります。音量を上げている時は文句なしにDALE巻線の方がいいです。ただ、高音域で聞き取れなくなる音があるのには困りました。もう少し高域が出る方が良いです、と試聴屋さんに相談すると、ガラス巻線抵抗アッテネータを送ります、とのことなので、このままDALE巻線抵抗を3日間聞くことにします。しかしまだ良くならないのです。これは結構困りました。出てくる音自体は、金皮と比べて、自然、としか言いようがない音なのです。DALE巻線に変えると、ほぼ全ての曲がそのような印象に変わると思います。それでも金皮の高域の分解能を一度気に入ってしまうと、どうしても残念という気持ちになるのです。あそこには、あの音が入ってるはずなのに。そう言う気持ちです。決して聞こえないわけではないのですが、シャープさが無くぼんやりしている。意識しないと聞こえない、と言うのが問題でした。
4日が過ぎました。DALE巻線アッテネータは4日間は聞かなければならなかったようです。それまで感じていた高域の不足と低域の締まりのなさ。それらが一気に解消されました。3日目には、金皮に戻して聞いてみたりしたのですが、やっぱり綺麗に分解されてる音は良いなぁ、そう思っていたのです。しかし、4日が過ぎると金皮の音が高域を強調した音に感じられるようになるのです。
洗脳でしょうか(^^;
低音量だとまだ金皮の方が有利に感じますが、それ以外では金皮に勝ちめは多分ないです。ガラス巻線ならどうなるのでしょうか。届くのが楽しみです。DALE巻線は時間が経つと良くなることが分かったので多分、買うことになるのでしょうが、ガラス巻線を聞いてみたいという気持ちもやはりあります。セール価格とは言え、まだ1万円以上の価格差がありますし。ただ、なんとなくDALE巻線で聞いていると、
疲れが取れる気がする
のですよ(^^; 鳴らしっぱなしで寝ると
次の日が楽
なんです。一つ問題があるとすれば音が定位しない。ボリュームや金皮は自分の目の前に定位する位置があるのです。DALE巻線はそれがない。よく言えば音に包まれる、と言うことになるのでしょうが、悪く言えばただのサラウンドスピーカーで再生しているよう、とも言えます。スピーカーを内向きにすれば直るのかな、と思いますが、スペース的には辛いものがあります。実際には、これで十分定位しているのかもしれません。音場を再現している、との表現が適切かもしれません。だから定位はしない。間接音がたくさんある状況では、定位位置というのは存在しないはずなので。ホールに近いですね。聞く位置によって印象が違う。
えーと、ガラス巻線が来る前にボリュームに戻して3者比較です。 ダメというほどではないのですが、ちょっと相手にならないです。DALE巻線に変えてから、透明感大好き人間となってしまいました。SCA-7510単体でも透明感はかなりすごかったです。比較しなければSCA-7510単体でいいのです。でも、比較してしまうと、SCA-7510の音でさえもざらざらしているように聞こえてしまいます。TVで言うとS端子接続とRGB接続の関係のような感じです。S端子でも十分きれいですが、RGBと比べてしまうと、S端子でさえ滲んでいることがはっきりとわかる。RGBで接続してしまうと、滲みのあるS端子には戻れないのです。ちなみに、D1よりもRGBの方がきれいです。
話がそれましたが、ガラス巻線アッテネータが届きました。透明感が少し落ちます。DALE巻き線アッテネータとの違いをTVで言うと、D1端子とRGB接続のような感じです。微妙だけど確実に差があるのです。全体的に、DALE巻線よりも高域側にずれます。低域が少し薄くなり、中域がDALE巻線よりも出てきます。ただ中途半端なのです。金皮のようにハッキリと出るでもなく、DALE巻き線のように透明感があるわけでもない。特徴がないことを良しとするならば、バランスが取れていていいとは思います。
4日が過ぎました。私の結論は変わらず、DALE巻線を選択しました。音のバランスよりも音の透明感を選択したのです。電源ケーブルをノーマルから変えていない人で音のバランス重視派ならガラス巻線だと思います。ただ、個人的にずばっと言ってしまうと、ガラス巻線を買うならフィリップス金皮で十分だと思います。少なくとも私にはフィリップス金皮の方が良く感じました。エージング時間に違いはありますが。
最後にPCについて書いておきます。音はアイオーデータ機器のD2linkという48KHz固定出力の光出力端子を使っています。これを買った理由は、Sound Blaster Live! Digital Audio(以下、Live) から出るノイズのせいです。スピーカーを464に変えてから、ノイズが目立つようになり、アンプをSCA-7510に変えると我慢できなくなってしまったから、ノイズが出なければいい、ただそれだけの理由で購入となりました。質には全く拘らなかったのが痛いところです(^^; 出力レベルはLiveの方が数段低いです。デジタル出力だと他のサウンドボードと比べても、ほぼ最下位のS/N比のようです。アナログ出力は大分マシだと思います。ノイズさえなければLiveのアナログ出力に切り替えるのですが。Liveのアナログ出力の方が、CDプレーヤーの音に近いので、PCで音楽を聴く方はデジタル出力を多用しない方がいいと思います。アナログの方が恐らくいい音が出ているかと。デジタル出力の方が音が良いというのは多分妄想です(^^;。PCとはいえ、内部で扱うデータは、44.1KHzが多いはずなので、48KHz出力というのは、リサンプリングしていることになります。ちなみに80GBのHDDに16,000曲ぐらい入れてあります。このHDDは音楽ファイル専用として使っています。クラシックは直接CDから聞きます。音が違い過ぎるので、クラシックはPCに入れたくはないです。
上記を書いてガラス巻線とフィリップス金皮を返却してから、SCA-7510の電源ケーブルを変えてみました。S/A labのHIGH END HOSE3.5にフルテックのロジウムメッキのプラグとインレットで自作しました。かなり変わりますね。まず、低域から高域までが綺麗につながり、低域、高域それぞれに、レンジが伸びたと思います。DALE巻線の弱点(Model464のせい)である、中域もバランス良く再生されるようになりましたし、何より、定位してくれるようになった。スピーカーのセッティングも結構いじりました。僅かに1cmくらいですが内向きにして、壁から離しました。結果、アンプを変えたりアッテネータを変えたりして、だめになった曲も、
どきどきするぐらいの再生音
が得られるようになりました。材料費だけで15,000円ぐらいかかったのですが、これだけ変わるなら、スピーカーケーブルを買うよりも安くて済むし良いと思います。皮膜をむくのに80分、プラグをつけるのに20分ほどかかりました。
プラグをつける前に、スピーカーケーブルとしても試してみました。片chですが。結果は、
恐ろしく情報量が増えた
感じです。あ、電源ケーブルも、同じような変わり方をするので、一本で済む電源ケーブルは、安くていいなと思っただけです(^^; SPケーブルとして使ったほうが変わり方は大きかったですが、何せお金がない。月末にはSPケーブルとしても買う予定ですが、低域が薄いSCA-7510にはぴったりなのではないかなと思います。電源ケーブルでこんなに音が変わるのは謎なのですが。何をやっても音がころころ変わるアンプをこの価格で手に入れられたのは良かったと思いました。ガレージメーカーの中でもこれだけ安くて、これだけ音に変化が出るアンプはないんじゃないかな。
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